1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550616
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
志摩 健介 宮崎大学, 工学部, 教授 (20029862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 健一 宮崎大学, 教育学部, 講師 (60201670)
保田 昌秀 宮崎大学, 工学部, 助教授 (00174516)
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Keywords | オキセタン / チエタン / π-σ相互作用 / シクロブタン |
Research Abstract |
(1)電子供与体存在下での2,2-ジアリールオキセタン類の光環開裂反応。 2,2-ジアリールオキセタンは直接光照射を行っても環開裂反応が進行しない。ところが、電子供与体存在下で光照射を行うと開裂反応が進行し、1,1-ジアリールエチレンを生成する。種々の電子供与体について光環開裂反応を検討した結果、トリエチルアミンが電子供与体として、最も適している事がわかった。反応溶媒には低極性溶媒のヘキサンが適当であった。これらの反応機構は励起された2,2-ジアリールオキセタンがトリエチルアミンとエキシプレックス中間体を形成し、引き続きプロトン移動を起こす事でオキセタン環の開裂が進行していると考えられる。 (2)1,2-ジアリールシクロブタン類の環開裂反応。 1,2-ジアリールシクロブタン化合物の熱および光による環開裂反応では、2つのアリール基のπ軌道とシクロブタン環のσ軌道間のπ-σ相互作用が関与している事が明らかになった。そこで本年度はπ-σ相互作用の大きさを支配する因子を分子軌道法によって考察を加えた。 (3)チエタン類の光化学的環開裂反応。 2,2-ジアリール-3-シアノチエタンの直接光照射による環開裂反応からは、2,2-ジフェニルアクリロニトリルを生成した。また、1,4-ジシアノナフタレンを増感剤として用いるチエタンの光環開裂反応からも、2,2-ジフェニルアクリロニトリルが生成した。どちらの光反応も対応するオキセタン誘導体の開裂様式とは異なっており興味がもたれる。今後の研究が期待される。
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[Publications] K.Nakabayashi.: Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 62. 96-101 (1989)
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[Publications] K.Shima.: Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 62. (1989)
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[Publications] M.Yasuda.: Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 62. (1989)
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[Publications] K.Nakabayashi.: Radiat.Rhys.Chem.(1989)
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[Publications] K.Nakabayashi.: Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 62. (1989)