1988 Fiscal Year Annual Research Report
分子内電荷移動錯体形成能をもつモデル化合物としてのシクロファン類の合成と機能
Project/Area Number |
62550637
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田代 昌士 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (40038576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柘植 顕彦 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (80179986)
高橋 和文 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (40179479)
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Keywords | 有機合成化学 / 選択的合成 / 保護基 / 部分還元反応 / メタシクロファン / 電荷移動錯体 |
Research Abstract |
〔n.m.l〕シクロファン系化合物は同一分子内に複数の芳香環が隣接した位置にあり、それらの相互作用により電荷移動型錯体を容易に形する可能性が高い。先に、当該研究者らは〔2.2〕メタシクロファン系化合物をtert-ブチル基を位置の保護基として容易に合成出来ることを報告した。 そこで、当該研究者らは種々の〔n.m.l〕メタシクロファン系化合を前述の方法に従って合成し、それらの機能性を検討することを計画した。今年度に得られたその成果を以下にまとめる。尚、オルトシクロファン系化合物の新しい合成法を開発し、それらの成応性について検討したので併せて報告する。 1)〔n.m.l〕メタシクロファン系化合物の合成。 トリメチル〔1.2.2〕メタシクロファン、トリメチル〔2.2.2〕メタシクロファン、テトラメチル〔2.2.2.2〕メタシクロファン、トリヒドロキシ〔0.2.2〕メタシクロファン、トリヒドロキシ〔1.2.2〕メタシクロファン、トリヒドロキシ〔2.2.2〕メタシクロファン及びテトラヒドロキシ〔2.2.2.2〕メタシクロファンをtert-ブチル基を位置の保護基として用いそれぞれトルエン及びフェノールより合成した。 2)オルトシクロファン類の合成 _<0->キシレンジブロマイド類とジケトジカルボン酸類との反応により対応するオルトシクロファン類の合成を行った。 3)機能性 〔2.3〕、〔2.4〕、〔2.5〕メタシクロファン類は光照射により容易に閉環する。本反応は可逆的であった。〔2.2〕系と異なって〔n.m.l〕系シクロファン類はキンヒドロン型電荷移動錯体形成能を示さなかったが包接能をもつ。
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[Publications] 村上慎一: Chemistry Letters. 5-8 (1988)
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[Publications] 田代昌士: 九州大学総合理工学研究科報告. 10. 175-179 (1988)
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[Publications] 村上慎一: 染料と薬品. 33. 4-14 (1988)
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[Publications] 田代昌士: Journal of Organic Chemistry. 54. 451-458 (1989)
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[Publications] 田代昌士: Journal of Organic Chemistry. 55. (1989)
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[Publications] 田代昌士: Journal of Organic Chemistry. 55. (1989)