1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550681
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
金木 則明 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (40125373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 宏光 室蘭工業大学, 工学部, 教務職員 (40186995)
田中 裕敏 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (30002893)
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Keywords | ISFET / pHセンサ / 窒化膜 |
Research Abstract |
本研究は環境計測に簡便かつ有用な高性能バイオ酵素センサの研究・開発を目的とし, 本年度では酵素センサのトランスデューサとなる水素イオン感受性ISFET(イオン感受性電界効果型トランジスタ)の試作を行い, ISFETのトランジスタ特性およびpHに対するセンサ特性について検討した. ISFETの製作は通常の半導体製造技術により行い, 2.4×9.5mmの大きさのISFETを13×13mmの大きさの基板上に3個集積したものを作製した. なおゲート部の寸法は幅30μm, 長さ1.5mmである. またISFETは低圧CVD法により作られたSi_3N_4膜(1000〓で覆われている構造になっている. (1)トランジスタ特性の検討 ISFETのゲート部に電極を取付けて, 空気中でトランジスタ特性を測定した結果, ゲート電圧Vg5Vではドレインイ電圧Vd, 7V以上で飽和領域になり, ドレイン電圧Vd7Vに対してドレイン電流Id10mAの性能か得られた. 溶液中でのISFETの特性は空気中に比べて同一Vgに対するドレイン電流が少し小さくなったが, 溶液中でもトランジスタとして十分動作することが確認された. (2)pHに対するセンサ特性の検討 pHに対するISFETの出力電圧をpH4〜11の範囲で測定した結果, pHと出力電圧はほぼ直線関係になり, pH感度はゲート部がSiO_2膜のみでは2mV/pHまたSi_3N_4膜では44mV/pHであった. またゲート部がSiO_2膜のみISFETでは安定性は余り良くなかったがSi_3N_4膜では長期安定性は認められた. 従って本研究で製作したSi_3N_4膜ISFETはバイオセンサのトランスデューサとして有効に動作できうるものと考えられる.
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