1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550681
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
金木 則明 室蘭工業大学, 工学部 (40125373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 宏光 室蘭工業大学, 工学部, 教務職員 (40186995)
田中 裕敏 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (30002893)
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Keywords | ISFET / pHセンサ / ウレア / 銅イオン |
Research Abstract |
近年、酵素や微生物等の生体触媒を分子識別素子とし、これを電気化学バイス等のトランスデューサと組み合わせた、種々のバイオセンサが研究開発されている。機器分析の分野においても、金属分析用に、原子吸光やプラズマ発光分析が一般化しているが、高価でしかもサンプルの前処理等が煩雑であるために新たな分析方法が必要となってきた。 本研究では環境測定用バイオ化学センサの研究・開発を目的として、イオン感受性電界効果型トランジスタ(ISFET)を用いたウレアセンサを製作し、その応答性や基質濃度依存性について検討した。また、このISFETを用いたウレアセンサによる、重金属の酵素活性阻害効果を利用した銅イオン濃度の測定を検討した。 その結果、本研究で製作したISFETは、pH4〜11の範囲でpHに対して出力電圧は直線的な応答を示し、pH感度は約40mV/pHであった。また、ウレアセンサの尿素濃度10^<-3>g/mlに対する出力応答は約40mVで、応答時間は約5分で定常状態に達した。さらに、ウレアセンサの基質濃度依存性を検討した結果、尿素濃度5×10^<-4>〜10^<-3>g/mlの範囲で濃度の対数に比例して電圧が低くなっていることから、この範囲内で尿素の定量が可能であることが認められた。 さらに、ウレアセンサを用いて銅イオンのウレアーゼ基質反応阻害効果をセンサの出力した結果、明らかに銅イオンによるウレアーゼの基質反応阻害効果が認められた。また、ウレアセンサの銅イオン濃度依存性を検討した結果、ISFETを用いたウレアセンサによる銅イオン濃度は、0-10μg/mlの範囲で定量化が可能であると考えられた。以上の結果、本研究で試作したISFETを用いたウレアセンサにより、銅イオン濃度の測定の測定が十分行えることがわかった。さらに、このセンサは各種重金属イオンの測定に応用が可能であると考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 坂井宏光,金木則明,小瀬智之,島田浩次,田中裕敏、原弘: 電気化学.