1987 Fiscal Year Annual Research Report
キュウリモザイクウィルスの系統間における核酸成分の分析と組み換えに関する研究
Project/Area Number |
62560036
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
奥田 誠一 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (90091941)
|
Keywords | 植物ウィルス核酸 / ウィルス核酸の組み換え / 外来核酸導入 |
Research Abstract |
多種の作物から分離したキュウリモザイクウィルス(CMV)分離株について, 病原性, 血清性, 核酸の電気泳動パターンを比較した. 1.CMVの複製型二本鎖RNAを少量(5g)の感染葉から抽出して電気泳動すると, 分離株間でRNA1, 2, 3および5に差があるものが見出された. このうち, RNA3の差は血清型の違いに対応することが判明した. RNA5の差は病原性の程度に反映していた. 2.CMVと同一グループに属するキク微斑ウィルス(CMMV)からRNA5を検出した. これは世界中で未報告と思われ新知見である. 今後, CMVとCMMVのRNA1〜5の組み換えを実験する材料となった. 3.CMVの複製型二本鎖RNAを加熱冷却して得られる一本鎖RNAの感染性を確認することに成功した. 二本鎖RNAは, 電気泳動において, 一本鎖RNAより分離が良好であるので, 複製型二本鎖RNAの形で組み換え実験を行うことにより, 本研究の目的を効率よく達成し得るものと考えられる. 4エレクトロトランスフェクター(外来遺伝子導入装置)を用いて, CMV核酸を植物細胞プロトプラストに導入する条件設定を行いつつある.
|