1987 Fiscal Year Annual Research Report
獣類による森林被害量推定手法と被害基準に関する研究
Project/Area Number |
62560150
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡辺 弘之 京都大学, 農学部, 助教授 (90026633)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古野 東洲 京都大学, 農学部, 助教授 (00026626)
|
Keywords | 獣害 / 被害量推定 / 被害基準 / 被害木の生育回復 / 樹形に及ぼす影響 |
Research Abstract |
1.被害量推定手法 奈良県下のノウサギによるスギへの被害発生地において, 約0.2haのスギ新植地を対象に, 全木の位置を測量・図示し, この食害の形態を記録した. 食害は隣接の森林の状況, 地形, さらには, 対象地域内でのササなど地表植生の分布・繁茂状況で大きく異なったが, 被害は周辺部を主にパッチ状に発生し, それが次第に拡大し, ついには, ほぼ全域が壊滅状態になるようであった. これらマッピングできた食害分布図を基に, 短径, 長径中心線でのサンプリング, 等間隔でのサンプリングでの被害率と, 全木での被害率との適合性を検討している. また, 被害の形態を区分し, 被害基準をつくるとともに, これまで報告された被害の形態区分との相違点, その要因についても解析中である. 2.被害形態と被害木の生育 和歌山県下のニホンジカおよびカモシカ生息地での被害の形態, スギ・ヒノキの品種間での被害形態のちがいを調べた. 被害の程度, 形状を記録したので, 今後の生育, とくに樹形, 材質に及ぼす影響, 回復の過程が継続観察できることになった. 異なった樹齢での被害形状のちがい, および, 食害されたスギの生育を過去数年にさかのぼって識別解析した結果は, 日本林学関西支部大会で講演発表した.
|
-
[Publications] 渡辺弘之, 古野東洲: 日本林学会関西支部第38回大会講演集. 38. 343-346 (1987)
-
[Publications] 古野東洲, 渡辺弘之: 日本林学会関西支部第38回大会講演集. 38. 347-350 (1987)