1988 Fiscal Year Annual Research Report
森林の水上保全機能の流域論的評価と流域管理計画に関する研究
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62560156
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Research Institution | College of Agriculture, Ehime University |
Principal Investigator |
小川 滋 愛媛大学, 農学部, 教授 (30037973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戎 信宏 愛媛大学, 農学部, 助手 (60176782)
井上 章二 愛媛大学, 農学部, 助手 (30142342)
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Keywords | 森林の水土保全機能 / 非均質土壌の浸透流出 / 蒸発散量の推定モデル / 植生の回復と水土保全機能 / 長短両用流出モデル / 林野火災跡地 / 水土の動態の時・空間変動 / 流域管理計画 |
Research Abstract |
昭和62年度におこなわれた研究成果をもとに、本年度は次の課題について研究を進め、最終的に本研究のとりまとめをおこなった。 1.森林の水土保全機能に関する基礎的研究 (1)森林土壌中における浸透流出の機構:森林の水土保全機能の機構に最も深く関与している森林壌中における浸透流出の水理学的特性を明らかにするために、昨年のモデル土層の水理実験結果の数値シミュレーションをおこなった。その結果、不飽和透水係数の水理特性が、大孔隙から小孔隙への雨水の移動、さらに小孔隙から大孔隙の逆流を規定していることが検証された。また、毛管飽和帯に雨水が到達しなくても流出が生起することも明らかにされた。 (2)森林流域の蒸発散の流域的分布特性:流出モデルと同精度の実蒸発散量を推定するためのモデルを作成し、土地利用変化に対応できる実蒸発散量の推定が可能となった。 (3)リモートセンシングによる森林破壊程度の同定:林野火災跡地を森林破壊流域として燃焼による森林破壊程度をランドサットデータによって同定し、燃焼程度に関与する要因を明らかにした。この方法により、森林植生の変化を時間的・空間的に追跡することが可能となった。 2.森林の水土保全機能の流域論的評価と流域管理計画への応用的研究 1.研究成果をもとに、流域管理における蒸発散量推定モデルと流域管理計画のための長・短両用の総合的流出モデルを作成した。この結果、土地利用管理計画に必要な土地利用改変による水土保全機能の変化が定量的に評価できるようになった。 3.本研究による研究成果のとりまとめと公表 1.2.の研究を森林場における水土の動態の時・空間変動という視点よりとりまとめて研究成果報告書(約120頁)を印刷公表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Lal SAMARAKOON.: Journal of the Japanese Forestry Society. 70(9). 403-406 (1988)
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[Publications] 小川滋: 農業土木学会誌. 56(11). 1101-1107 (1988)
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[Publications] Nobuhiro EBISU.: Journal of the Japanese Forestry Society.
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[Publications] 戎信宏: 水文・水資源学会誌.
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[Publications] 小川滋: 水文・水資源学会誌.
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[Publications] 井上章二: 日本林学会誌.