1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560203
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
羽多野 六男 北海道大学, 水産学部, 教授 (80001600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 清一 北海道大学, 水産学部, 助手 (80131986)
高橋 是太郎 北海道大学, 水産学部, 助教授 (90125328)
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Keywords | 秋サケのブナ毛 / 秋サケの肉色 / 秋サケの品質基準化 |
Research Abstract |
秋サケの体表の婚姻色(ブナ毛)の度合を画像入力システムにとり込み, 体表色の分布濃度を求め, さらに肉色のサーモンピンク度合を測色し, 体表から肉色の予測を行い, 現場でも対応できる秋サケの品種の基準化を提案した. 1.体表の白色濃度(銀毛度合)と赤色・黄色の各濃度との間には, それぞれ強い負の相関を示した. これにより銀毛は白色(%)≧80, Aブナは80>白色(%)≧60, Bブナは60>白色(%)≧40, Cブナは40>白色(%)と規定され, ブナ毛の度合から客観的な秋サケ品種の格付けが可能となった. 2.秋サケの品質を食味から判定する場合, 肉色の赤色度合(a値)が重要な食感要素となることから, 肉色からのランクをそれぞれRed(a≧15), Pink(15>a≧10), White(10>a)の3等級に基準化した. さらに業者が肉眼的にも判定できるようにマンセル系表色とJIS色票を添えて取引上の便宣を図った. 3.ブナ毛のランクから肉色を対比させて, 外観から肉色の予測を行った結果, 雄では銀色とAブナの肉色がRedとなる確率は74%, BブナでPinkとなる確率は63%, CブナでWhiteとなるのは86%であった. しかし, 雌の場合には, 筋肉カロテノイド色素が体表よりも卵巣に多く移行するため, 肉食の予測確率は雄よりも若干低下した. 4.さらに肉色の予測性を高めるために, 体軸方向の体表色分布ヒストグラムとa値との関係を求めた結果, これらの間に擬似相関があることを認めた. 秋サケの品質判定装置がない現在, 現実にはランク付けは肉眼判定に頼らざるを得ないが, その際に判定部位を, 赤色と黄色では魚体中央部, 白色は中央から尾部にかけて行うことが有効であることを認めた. 5.次年度は, 主として銀毛, A, B, Cブナの肉質を機能性の面から検討する予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 羽田野 六男: 北大水産彙報. 38. 311-321 (1987)
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[Publications] 羽田野 六男: 日本水産学会 昭和62年秋季大会講演発表.
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[Publications] 羽田野 六男: 日本水産学会 昭和63年春季大会講演発表.