1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560203
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
羽田野 六男 北海道大学, 水産学部, 教授 (80001600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川合 祐史 北海道大学, 水産学部, 助手 (60195039)
安藤 清一 北海道大学, 水産学部, 助手 (80131986)
高橋 是太郎 北海道大学, 水産学部, 助教授 (90125328)
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Keywords | 品質 / 原料特性 / 機能特性 / 筋肉タンパク質 / 脂質代謝 / カロテノイド代謝 |
Research Abstract |
わが国に回帰する秋サケは、近年確実に増大する一方、著しく品質の低下した秋サケも増え、その利用は大いに制約を受けている現状にある。このような状況を踏まえ、秋サケの品質と原料特性、秋サケの生理状態と体成分の関係を検討した。 1.秋サケの品質ランクと原料特性 (1)筋肉の機能特性 秋サケは産卵直前に筋肉プロテアーゼ活性が著しく上昇し、筋肉組織が崩壊(軟化)し、水分が増加する。また、筋肉タンパク質も低塩濃度で抽出されやすくなること、保水性の低下などの機能特性も変化する。この原因は、筋肉プロテアーゼによる筋肉タンパク質の分解と修飾によることを明らかにした。 (2)筋肉タンパク質の機能特性 産卵直前の秋サケ筋肉の塩溶性タンパク質は熱凝固性が低下し、乳化性は加熱によって増大する。これらの性質は新製品「ブナサケを原料とするゲル状食品=サケ豆腐」 の品質向上に寄与することを認めた。 2.秋サケの生理状態と体成分の関係 (1)肝臓における脂質代謝 秋サケの筋肉脂質の減少は、摂餌のないことのほか、肝臓におけるリパーゼの作用によって、遊離脂肪酸の増加とトリグリセリドの減少(分解)から脂質分解能の上昇と、1-^<14>Cオレイン酸、酢酸のとり込みから、ステロールとトリグリセリドの合成能の低下によることを明らかにした。 (2)肝臓におけるカロテノイド代謝 産卵期には筋肉カロテノイド色素が表皮に移行し、婚姻色の発現となる。しかし、筋肉カロテノイドの全てが表皮に移行するのではなく、肝臓中でヘムタンパク質によってその60%が分解、消失することを認めた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Seiichi,Ando: Comp.Biochem.Physiol.87B. 411-416 (1987)
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[Publications] 羽田野六男: 日本水産学会誌. 53. 476-486 (1987)
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[Publications] 羽田野六男: 北大水産研究索報. 38. 311-321 (1987)
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[Publications] Seiichi,Ando: Bull.Fac.Fish.Hokkaido Univ.39. 142-150 (1988)
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[Publications] Mutsuo,Hatano: Nippon Suisan Gakkaishi. 55. (1989)
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[Publications] 羽田野六男: 日本水産学会誌. 55. (1989)
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[Publications] 川合祐史: 平成元年度日本水産学会春季大会講演発表(日本水産学会誌). (1989)
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[Publications] 川合祐史: 平成元年度日本水産学会春季大会講演発表(日本水産学会誌). (1989)