1988 Fiscal Year Annual Research Report
モレキュラーシーブを水分トラップとした連続凍結乾燥装置に関する研究
Project/Area Number |
62560249
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
長廣 仁藏 東京電機大学, 理工学部, 教授 (50105673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 福次 東京電機大学, 理工学部, 講師 (00147472)
村勢 則郎 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (40120125)
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Keywords | 凍結乾燥 / 連続凍結乾燥装置 / モレキュラーシーブ / スエゼオライト / ゼオライト |
Research Abstract |
本研究は、モレキュラーシーブ(合成結晶性ゼオライト)の特殊な吸着性能、その中でも特に優れた水分子の吸着性能に着目し、従来の凍結乾燥装置のコールドトラップ部分の代わりにモレキュラーシーブ(以下MSと略称)のペレット製品を水分トラップとして採用した、低コストで連続運転が可能な新方式の凍結乾燥装置の開発に必要な各種の設計標準値を明らかにする目的で行ったものである。 予備的先行研究から始まり今年度までに、実験装置の試作、各種の実験を行い、全研究期間の成果として、下記のようなものを得た。 (1)凍結乾燥装置の水分トラップとしての最適MSはタイプ3A(有効吸着口径3A)のペレット製品である。そのMSは凍結乾燥操作の条件下において、MS重量の約10%量の水分補集能力を持ち、その範囲では昇華してできた水蒸気のほぼ100%を補集することができることを確認した。 (2)吸湿MSは有効再生温度の200℃以上で1.5〜2.0hの加熱再生で90%の脱水率を得ることができ、次回の給水も良好であり、MSは吸水・加熱再生の操作を繰り返し使用することができることを確認した。 (3)MS槽を水分トラップとした場合、従来のコールドトラップ方式の場合と比べ真空度と凍結試料温度に差が認められ、それに伴い昇華量は従来型に比べ約7割となったが、食品などの被乾燥物には十分に有効な凍結乾燥条件を保ち、良好な凍結乾燥操作を行うことができ、凍結乾燥装置の水分トラップとしてのMS槽の実用性を確認した。 (4)加熱面積の拡大を図った二重円筒構造のMS槽を試作し加熱再生試験を行った結果、脱水率は約90%前後となり、次回の吸水も良好で、MS槽内での吸湿MSの再生が可能であることを確認した。 (5)MS槽を二槽並列化することにより連続凍結乾燥は可能である。
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[Publications] 長廣仁藏: 農業機械学会第23回関東支部年次大会講演要旨. 1-17. 38-39 (1987)
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[Publications] 長廣仁藏: 農業機械学会第24回関東支部年次大会講演要旨. 2-2. 44-45 (1988)
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[Publications] 長廣仁藏: 農業機械学会第47回年次大会講演要旨. 6-18. 239 (1988)
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[Publications] 長廣仁藏: 農業機械学会第48回年次大会講演要旨. 1989.