1988 Fiscal Year Annual Research Report
多重機能性牛乳タンパク質ラクトフェリンの構造と機能発現メカニズムの解明
Project/Area Number |
62560277
|
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
島崎 敬一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10091547)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦島 匡 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (80185082)
|
Keywords | ラクトフェリン / 牛乳タンパク質 / 糖含量 / アミノ酸組成 / 抗原性 / 糖鎖構造 |
Research Abstract |
1.ラクトフェリンの糖含量・組成 ラクトフェリンの糖含量は中性糖が8.8%、アミノ糖が2.7%であった。なお、前者はフェノール-硫酸法で、後者はElson-Morgan法によって求めた。また、メタノリシス後、N-アセチル化、トリメチルシリル化した試料につきガスクロマトグラフィーで求めた糖組成はMan12、Gol1、GlcNAc7、Fuc1であった。 2.糖鎖成分および組成 ラクトフェリンの糖鎖について、ヒドラジン分解により得られた糖鎖をイオン交換樹脂処理により中性糖鎖と酸性糖鎖に分け、それぞれをさらに各構成成分に単離した。酸性糖画分は分子量2.5KDで2成分、中性糖画分は分子量1.0〜3.3KDで6成分から成る事が判明した。それぞれの糖組成は中性糖鎖でMan_3GlcNAc_2、Man_4Gal_2GlcNAc_2、Man_7Glc_2、Man_3Gal_3GlcNAc_3、Man_4Gal_3GlcNAc_7、酸性糖鎖ではMan_<11>Gal_3GlcNAc_5Fuc_1NANA、Man_3Gal_2GlcNAc_<16>NANAであった。なお、シアル酸については未決定である。 3.糖鎖の酵素的切断・酵素レクチン分析 トレシルトヨパールゲル固定化したエンドグルコシダーゼを用いてラクトフェリンの糖鎖の酵素的切断を行い、かつラクトペルオキシダーゼ標識のレクチンによる糖鎖構造の推定を行った。後者の場合、試みたレクチンの内Con A、RCA_<20>、LCA、WGA、RHA-E_4については反応したがPNAに対しては反応しなかった。それらの結果からラクトフェリン糖鎖の内推定可能な構造は以下のものであった。(R1、R2=-H又は糖鎖)
|