1987 Fiscal Year Annual Research Report
イムノバインド法によるマイコプラズマの抗体検出および簡易同定の研究
Project/Area Number |
62560310
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
清水 高正 宮崎大学, 農学部, 教授 (10040825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永友 寛司 宮崎大学, 農学部, 助教授 (10041063)
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Keywords | マイコプラズマ / 血清診断法 / ドットイムノバインド法 / 非特異反応 |
Research Abstract |
目的:鶏のマイコプラズマ感染診断法として用いられている凝集反応法は非特異反応が多く, HI反応法は抗原の作成が容易でない. これらに代わる新しい簡易かつ特異性のすぐれた血清診断法を開発するのがこの研究の目的である. 方法:Haukesが1982年に報告したドット・イムノバインド法を参考とし, ニトロセルロース濾紙とデュラポアセルロース濾紙に吸着させた自製のM.gallisepticumのHI用抗原を吸着させ, 被検鶏血清の希釈液を作用させた後, 市販の抗鶏IgG山羊血清(ペロキシダーゼ標識)を二次血清として反応させ, 発色液を加えて青紫色のドットを出現させる方法で力価の測定を行った. また, 被検血清のHI反応と凝集反応も同時に実施して, イムノバインド法の特異性および互いの間の相関性を検討した. 成績と考察:1.鳥系マイコプラズマ7種とそれらの抗血清を用いて行ったイムノバインド反応では, 反応系の間に著明な交差反応が現われ, 先人の報告による手技はそのままでは診断に適用できないことが判明した. 2.この非特異反応は, ブロッキング液に動物血清や牛血清アルブミンに代えて, スキムミルクを5%の割合に添加することにより, 完全に除去できた. 3.ICN社およびCappel社製の二次血清は, 共に1:500の希釈まで判定可能なドットが出現したが, 鮮明なドットを得るには1:200の希釈が必要であった. 4.SPF鶏にM.gallisepticumの生菌を接種後経時的に採取した血清の抗体力価は, 本法と凝集反応が1週後, HI抗体は2週後にすべて出現し, 本法による力価がHI価より常に高い値で11週まで推移した. 無接種対照鶏はいずれの方法でも常に陰性を呈した. 5.自然感染鶏の血清を用いた検査では, 本法による抗体価とHI抗体価は互いに高い相関を示したが, 本法と凝集反応陽性群・陰性群の間には, 関連が認められなかった.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] SHIMIZU, Takamasa and NAGATOMO, Hiroshi: Zentralblatt fur Bakteriologie, Mikrobiologie und Hygiene.