1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570004
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石川 春律 群馬大学, 医学部, 教授 (90010058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 修 群馬大学, 医学部, 助手 (80196477)
神宮司 洋一 群馬大学, 医学部, 助手 (00114182)
藤巻 昇 群馬大学, 医学部, 講師 (10008261)
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Keywords | アクトミオシン系 / アクチンフィラメント / 超微形態 / 細胞運動 / 細胞骨格 / 腎尿細管 / ショウジョウバエ胚 / 細胞接着 |
Research Abstract |
1.上皮細胞におけるアクトミオシン系構造の分析 ラット腎臓の尿細管上皮細胞について、アクチンフィラメント集合束の分布・配列・分子構成を電子顕微鏡、蛍光顕微鏡、生化学的方法によって分析を進めた。基底側アクチン束は近位および遠位尿細管とも大小いろいろで、その走向は尿細管長軸に直角であった。しかし、アクチン束は両端が基底面細胞膜に付いて終わっていて、隣接細胞のそれとは独立で、したがって、アクチン束が細胞膜を介して連結することはなかった。この所見は分離した部分抽出の尿細管の蛍光ファロイジン染色で明瞭に確認できた。アクチン束の機能として、尿細管を輪状に収縮させるより、むしろ細胞を基底膜に接着させるのに働いているように見える。さらに、ラット腎から基底アクチン束の単離を試み、針状ないし棘状の構造体を分離することができた。この構造は蛍光ファロイジンで染色されるのでアクチン束と同定できる。現在、この標品の純化、化学的分析を進めている。 2.胚発生におけるアクトミオシン系構造の分析 ショウジョウバエ初期胚における細胞区画化は表面細胞膜の弯入によるが、この弯入先端部にアクチンの局在を蛍光ファロイジン染色および電子顕微鏡観察から示すことができた。アクチンは平行集合束をなし、弯入の方向に直角に輪走し、Hーメロミオシン修飾法で2方向性の配列をとっていた。アクチン束は弯入先端の細胞膜を裏打ちし、細胞区画化の最終段階では、核下部で収縮環を形成する形態を示した。このようなアクチン束の走向は収縮環形成には好都合であるが、その前の膜弯入を説明することは難しい。そのため、微小管の関与を分析したところ、アクチン束と微小管との密接な位置関係が観察できた。現在、モノクローナル抗体を作成し、ミオシンの局在を追求中である。
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[Publications] Ishikawa,H.: Arch.Histol.Cytol.51. 127ー145 (1988)
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[Publications] Shimada,O.: Protoplasma:Cell Dynamics 2. Suppl.2. 145ー157 (1988)
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[Publications] Tsukita,S.: Cell Motil.Cytoskelet.10. 451ー463 (1988)
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[Publications] Katoh,K.: Protoplasma. 148. (1989)
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[Publications] Shimada,O.: Arch.Histol.Cytol.52. (1989)
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[Publications] 石川春律: Cytoーprotection & Biology. 6. 1ー10 (1988)