1988 Fiscal Year Annual Research Report
学童期の血圧に関連する環境要因および遺伝生化学的指標に関する研究
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62570242
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
大村 外志隆 秋田大学, 医学部, 助教授 (00102038)
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Keywords | 中学生と両親の血圧 / 血清総コレステロール / 尿中Na排泄量 / 尿中K排泄量 / 尿中カリクレイン量 |
Research Abstract |
本研究は中年期以降に顕著となる高血圧有病率の全国と秋田県の較差が、何歳頃の年代から生ずるのかを明らかにすること、および、学童とその両親の循環器検診成績と尿中カリクレイン、Na、Kの比較検討と、食生活を中心とした生活環境調査より、高血圧の発症に関連する近年における環境要因の変化および宿主要因とを明らかにすることを目的とした。 昨年度は、中学生とその両親の循環器検診成績の6項目(身長、体重、肥満度、最大血圧、最小血圧、血清総コレステロール)について、それらの相関について比較・検討した。その結果、身長、体重、肥満度および血清総コレステロールの4項目において、男子、女子とも父親、母親との間で有意の正相関を認めた。また血圧については、最大血圧のみ男子、女子と母親との間で有意の正相関がみられた。 本年度は主に、中学生とその両親について、循環器検診項目および尿中カリクレイン、Na、Kの各排泄量の相関について検討した。対象は秋田県内の農村地区の中学3年生106名とその両親である。その結果、両親とも成績が得られたのは29名(27%)であった。解析の結果、クレアチニン補正した尿中排泄量については、尿中Naは中学生、父親、母親の各群に共通して、血圧と正の相関傾向がみられた。さらに中学生と両親との各検診項目の相関については、身長、体重、肥満度、血清総コレステロールの4項目については有意の相関が認められたが、尿中カリクレイン、Na、Kについては、一定の傾向は認められなかった。
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