1988 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール依存形成におけるテトラヒドロイソキノリンの関与
Project/Area Number |
62570264
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
足立 順子 神戸大学, 医学部, 助手 (40030887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 一弥 神戸女子薬科大学, 教授 (00068321)
福永 龍繁 神戸大学, 医学部, 助手 (70156800)
藤原 敏 神戸大学, 医学部, 講師 (20173487)
溝井 泰彦 神戸大学, 医学部, 教授 (00030809)
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Keywords | アルコール依存 / テトラヒドロイソキノリン / 飲酒 / アルデヒド脱水素酵素 / サルソリノール |
Research Abstract |
アルコールの代謝産物のアセトアルデヒドとドパミンとの縮合物テスラヒドロイソキノリンが、健常人においてエタノール摂取の影響を受けるかどうかを調べた。 1.方法 21-35歳(平均23.8歳)の健常人男子25例を被験者とし、そのうち16例には、エタノールに換算して体重あたり0.4g、他の9例には同じく0.8gとなるように清酒を摂取させた。飲酒前後に採尿を行った。尿は採取後直ちに塩酸酸性とし測定まで-20℃で保存した。これをPH8.3でアルミナに吸着後、塩酸にて溶出された。尿中のテトラヒドロイソキノリンおよびドパミンを液クロで測定した。尿中排泄量の単位はすべてng/mgクレアチニンで表した。被験者は毛根組織の等電点分画によりアルデヒド脱水素酵素(ALDH)アイソザイムの欠損者と正常者の2群に分けた。 2.結果 ALDH正常群は13例、ALDH欠損群は12例であった。尿中テトラヒドロイソキノリンの飲酒前値は正常群では2.5±2.8ng/mgクレアチニン、欠損群では2.5±2.4ng/mgクレアチニンであり両群の間に全く差は見られなかった。0.4g/kgのエタノールの投与により、欠損群では増加の傾向があるものの有意ではなく、両群とも変化が認められなかった。0.8g/kgのエタノール投与では、2時間後に正常群では4.8±2.0ng/mgクレアチニン、欠損群では14.4±7.0ng/mgクレアチニンに上昇し、6時間後においても正常群では8.9±4.0ng/mgクレアチニン、欠損群では19.6±1.9ng/mgクレアチニンであり高い値にとどまっていた。各時間における尿中テトラヒドロイソキノリンは、欠損群の方が正常群よりも有意に高かった。
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Research Products
(1 results)