1987 Fiscal Year Annual Research Report
栄養障害がluny devetopmentに与える影響について
Project/Area Number |
62570355
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
木田 厚瑞 東京都老人総合研究所, 基礎病理部, 研究員 (90142645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 玲子 東京都老人総合研究所, 基礎病理部, 研究員
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Keywords | 低蛋白食 / 細胞発育障害 / コラゲン / エラスチン / 組織形測 |
Research Abstract |
低栄養状態では肺機能および形態上に種々の変化が生ずることが知られている. しかし, 従来の実験系では総カロリー, 蛋白摂取量が同時に低下した状態で検討されており, 蛋白のみの摂取制限がどのように影響するかについては不明である. 一方, 肺胞の形成にあたっては, collagen,elastinの関与が大きいことが判明している. そこで肺胞形成期(発育期)のラット(生後3週齢)に蛋白欠乏食(カゼイン8%)を4週間与え, 肺の生理機能の変化(別出肺の生食および空気注入による圧-量曲線), 形態変化(光顕的組織計測), 生化学的変化(肺内のcollagen,elastin量の測定)につき検討した. なお対象群にはカゼイン20%含有食を与えた. 実験機関中を通じて, 両群間には食事摂取量に差異はみとめられなかった. 組織計測所見では, 低蛋白食群の平均肺胞径は対象群に比して有意に増加していた. また低蛋白食の肺胞径は二峰性の分布を示し, 生後3週迄に形成された肺胞は対象群と近似の径を有するが, 低蛋白食投与以降は, 肺胞径増大, 不揃いが可能性が示唆された, 生化学的解析によれば, 低蛋白食群のhydroxyproline,clesmosineが有意に低下しており, 同群のcollagen,elastin食量の減少が示唆された. 生理学的には低蛋白食群で肺容量が有意に増加しており, また容量/湿肺重量にも増加がみとめられた. 低蛋白食群の肺では, 中肺気量位で肺弾性収縮力の低下がみとめられた. 以上より, 肺胞形成期に低蛋白食を与えると肺胞径の増加がみとめられ, また肺内硬蛋白成分減少を伴い, これが肺弾性収縮力の低下を引き起こすことが示唆された. 本実験は, Kivashiorkorの小児の肺の発育異常を示唆するモデル実験になりうると考えられた.
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[Publications] 松井玲子,木田厚瑞,SY.Yu,Tlurback WM: 日本胸部疾患学会誌. 25. 172 (1987)
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[Publications] Matsui R, Kozui Kida, Fujita Y, Yu SY, Thurlhech WM: Amoircan Peven of Respratory Pisease. 135. A27 (1987)