1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570532
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
義江 修 東北大学, 医学部, 助教授 (10166910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 譲 東北大学, 医学附属病院, 助手 (60125565)
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Keywords | 好酸球 / 活性酸素 / インターフェロン / 腫瘍壊死因子 / インターロイキン5 / 細胞分化 |
Research Abstract |
我々はこれまでにヒト好酸球性白血病株E_0L-1を用いて、フォルボールエステル(TPA)で刺激したときに誘発される活性酸素の産生能はIFN-γ、αAあるいはTNFによる処理で著明に増強されること、IFN-TNFは相乗的に働くこと、またTNFにはE_0L-1の好酸球顆粒産生を誘導する作用があり、IFN-γとはこのTNFの効果を増強すること、等を明らかにして来た。そこで本年度は細菌由来走化因子のアナログであるfMLPに対する反応性をやはり活性酸素の産生を指標として検討したところ、E_0L-1をIFN-γ、-αAあるいはTNFで処理することによりfMLPに対する反応性が出現すること、及びこの時もINF-γとTNFは相乗作用を示すことを見出した。このようにINF-γとTNFの同時処理でTPAやfMLPに対する反応性が著明に増強される機構を分子レベルで解析するためにまずTPAに対する細胞レセプターであるCキナーゼを^3H-PDBu結合法で、またfMLPに対する細胞膜レセプターを^3H-fMLP結合法で定量したところ、Cキナーゼの量は著明に増加しており、またfMLPレセプターの発現も検出レベル以下の状態から正常白血球に近いレベルにまで誘導されていた。次に正常好酸球に対し活性化作用が報告されているIL-5とGM-CSFのE_0L-1に対する効果についても同様の検討を行なったところ両者とも単独ではE_0L-1のTPAに対する活性酸素産生反応に増強効果をしめさなかったが、IL-5はIFN-γの効果を強める作用を示した。またIFN-γゃ特にTNFがE_0L-1の細胞増殖を強く抑制するのと異なり、IL-5やGM-CSFはともにE_0L-1に対し若干の増殖促進作用を示した。IL-5は好酸球に対する増殖分化促進因子と考えられており、今後E_0L-1を用いてIL-5の作用を解析することが可能であると期待される。
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