1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570545
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小熊 茂 京都大学, 医学部, 助手 (00169260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内野 治人 京都大学, 医学部, 教授 (40034615)
吉田 弥太郎 京都大学, 医学部, 講師 (80064525)
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Keywords | 不応性貧血 / 白血化フリー生存時間 / 混合指数分布模型 / 相対ハザード |
Research Abstract |
統計499例の診断の確定した広義の不応性貧血症例データベースの解析より本年度に得られた知見は、以下の通りである。 1.RAEB症例の白血化フリー生存時間のパラメトリックな解析から、初診時には全ての症例に将来白血病化する危険があると仮定するワイブル模型よりも、一部の症例は最初から白血病化する危険がほとんどないと仮定する混合指数分布模型のほうが尤度が119倍も高かった。これは、RAEBの一部には、非腫瘍性病変が混在することを示すものである。また、混合指数分布模型より、このほとんど白血病化する危険のない群の比率は、29.4%(95%信頼区間14.4〜43.5%)と推定された。さらに、共変量つきの混合指数分布模型の解析から、ある症例が将来白血病化する危険性のある群に属する確率は、初診時の骨髄中の骨髄芽球比率、顆粒球の顆粒異常の有無、単核巨核球の有無の3変数によって予測されることがわかった。 2.広義の不応性貧血(RAEB、狭義の不応性貧血(PARA)、鉄芽球性貧血(PASA))全体としても、ワイブル模型より混合指数分布模型のほうが尤度が30万倍以上高く、白血病化する危険のない群の比率は約60%と推定された。また、将来白血病化する危険のある群に属する確率は、症型(RAEBか否か)、顆粒球の顆粒異常、性の初診時3変数より予測できることを示した。 3.PARAの生存時間を、年令、性をマッチさせた一般人との相対ハザードで比較すると、初診より6年間は相対ハザードが約5ないし11倍であったが、7年目以降には死亡症例はなかった。7年目以降での積極限生存率は32.3%(95%信頼区間21.0〜44.0%)であった。これは、PARAの一部には、生命に対する危険性の少ない群が混在していることを示す所見である。
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[Publications] Shigeru Oguma: Cancer Research. 46. 3698-3700 (1986)
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[Publications] Shigeru Oguma: Cancer Research. 47. 2196-2198 (1987)
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[Publications] Shigeru Oguma: Cancer Research. 47. 3599-3602 (1987)
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[Publications] Shigeru Oguma: Acta Haematologica Japonica. 51. 1412-1418 (1988)
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[Publications] Shigeru Oguma: Acta Haematologica Japonica.
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[Publications] Yataro Yoshida: Acta Haematologica Japonica. 51. 1448-1454 (1988)
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[Publications] Yataro Yoshida: J.Clinical Pathology. 41. 763-767 (1988)
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[Publications] Yataro Yoshida: Acta Haematologica Japonica. 50. 37-45 (1987)
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[Publications] 吉田弥太郎: "新内科学大系「骨髄異形成症候群」" 中山書店, 81-98 (1986)
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[Publications] 吉田弥太郎: "内科MOOK「不応性貧血」" 金原出版, 134-148 (1987)