1987 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌・大腸癌の増殖促進因子及び抑制因子と組織内ポリアミンの動態
Project/Area Number |
62570559
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中野 眼一 群馬大学, 医学部, 助教授 (80008325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹之下 誠一 群馬大学, 医学部, 助手 (10167489)
松崎 茂 群馬大学, 内分泌研究所, 助教授 (60008604)
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Keywords | ポリアミン / 大腸癌 / DMH / DFMO / 胃癌 / Ca拮抗剤 |
Research Abstract |
I.ポリアミン合成阻害剤(DFMO)の大腸発癌抑制効果 方法:ウイスター系ラット40匹を4群に分類, I群は1%DFMO溶液を10週間経口投与しDMH20mg/kgを週に1度10週間皮下投与(n=10), II群は水道水を摂取させDMHを同量投与(n=10), III群は水道水を摂取させ蒸留水を週1度, 10週間皮下投与(n=10), IV群は1%DFMO溶液を7週間投与し蒸留水をIII群と同様に投与(n=10)した. 全例14週目に屠殺, 病理組織学的に検討し, 大腸粘膜の組織内ポリアミン量を測定した. 結果: 腫瘍の発生率はI群は4/10匹(40%), II群8/10匹(80%), III群とIV群に腫瘍の発生を認めなかった. 1匹当りの腫瘍発生数はI群0.5個II群2.4個であった. 大腸粘膜の組織内ポリアミンはPutrescineの低下が著明で, Spermidine, Spermineはやや低値を示した. 以上よりポリアミン合成阻害剤(DFMO)は大腸腫瘍の発生を抑制すること示唆した. II.ヒト胃癌株に対する制癌剤とCa拮抗剤併用効果 方法: ヌードマウス26匹を4群に分類し, 胃癌株KatoIIIを背部皮下に移植し, 腫瘍が100〜300mgに腫大した時点で制癌剤UFTとCa拮抗剤Verapamilを投与した. I群3%アラビアゴム溶液を経口投与(n=5), II群はUFT64.8mg/kgを10回経口投与(n=7), III群UFTにVerapamil 10mg/kgを皮下投与(n=7), 第IV群はVerapamil を4回皮下投与(n=7)した. 12日目に屠殺し病理組織学的, Flowcytometryによる変化をみた. 結果: UFT投与のII群は9日目からCa拮抗剤併用のIII群との間に抗腫瘍効果を認め, III群がまさっていた. FlowcytometryによるCell Cycleには著明な変化を示さなかった. 以上よりCa拮抗剤併用は制癌効果を増強させた.
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[Publications] H.Ikeda, G.Nakano, K.Nagashima et al: Cancer Res.47. 231-234 (1987)
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[Publications] K.Mukawa, T.Nakamura, G.Nakano, Y.Nagamachi: J. Clin. Pathol.40. 13-18 (1987)
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[Publications] G.Nakano, M.Araki, Y.Nagamachi, S.Matsuzaki: Abstract of 8th Asia Pacific Cancer Conference. 148 (1987)
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[Publications] 中野眼一,新木正隆,正田弘一,竹之下誠一,長町幸雄: 第46回日本癌学会総会記事. 29 (1987)
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[Publications] S.Matsuzaki, L.P.Xiao et al: Biochemistry lnternational. 15. 817-822 (1987)
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[Publications] S.Matsuzaki, K.Hamana et al: FEMS Microbiology Letters. 48. 1-4 (1987)
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[Publications] 中村卓次,中野眼一: "胃の良性,悪性境界領域病変の治療" 医学教育出版,東京, 398-403 (1986)
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[Publications] 中野眼一: "臨床Visual Mook:胃癌" 全日本病院出版,東京, 32-41 (1988)