1987 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト悪性glioma細胞株(TM-1)における自己増殖促進物質の分離と精製
Project/Area Number |
62570650
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岡 伸夫 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (10135006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山谷 和正 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手
中田 潤一 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (50143855)
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Keywords | 悪性グリオーマ / 細胞増殖因子 / 組織培養 / 自己分泌作用 |
Research Abstract |
当教室での組織培養に関する設備と昭和62年度科学研究費補助金により購入した設備備品を使用し研究を行った. 1.ヒト悪性glioma細胞株(TM-1)の樹立と性状分析 (1)500rad照射後のヌ-ドマウスに2×107_17個のTM-1を皮下指標したところ、約3〜4週後に直径約2cmの腫瘤を形成したn (2)培養細胞と皮下移植腫瘤のいずれにおいても, グリア指標蛋白であるGFAP vementin, S-100蛋白が存在することを酵素抗体法(PAP法), SDS-PAGE後のWestern blotting法にて確認した. (3)TM-1の透過型電顕像で, 核周囲の細胞質に中間径filamentの存在を確認した. (4)10%FCSを含むEagle MEMの培養で, TM-1は約40時間の倍加時間, 30%のコロニー形成率を示した. 2.単相培養にて, 無血清のTM-1由来培養上清液を作製し, TM-1の増殖に及ぼす影響を生細胞のタンパク量測定にて検討した. 培養上清液を25%, 50%, 75%, 100%含むいずれの混合培地も対照(無血清培地)と比べ6日間で約1.8倍, 9日間で約2倍, 12日間で約2.7倍の増殖を示した. 3.スピナーカルチャーによる大量培養で, 無血清のTM-1由来培養上清液を作製し, TM-1の増殖に及ぼす影響を^3H-チミジンの取り込みにて検討した. 培養上清液を20%, 50%, 100%含むいずれの混合培地も, 対照と比較し, 培養24時間後から12時間のパルスラベルで, 約1.5〜2倍増加していた. 以上の結果をもとに, 今後増殖因子の分離・精製とすすめる予定である.
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