1987 Fiscal Year Annual Research Report
関節軟骨へのレーザー照射による軟骨修復及び変性予防の研究
Project/Area Number |
62570697
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
井上 和彦 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (70095024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 純司 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90211375)
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Keywords | 炭酸ガスレーザー / YAGレーザー / アルゴン / ダイレーザー / レーザー関節軟骨照射 |
Research Abstract |
1.炭酸ガス, YAG, アルゴン・ダイの3種レーザーをウサギの膝関節軟骨に照射すると可視光のアルゴン・ダイレーザーおよび近赤外線であるYAGレーザーは白色系の関節軟骨に照射しても反射し関節軟骨に変化を及ぼさないが, 炭酸ガスレーザーは遠赤外線であり, 対象物の色調に区別なく表面的に吸収されて熱損傷を及ぼす. つまり, 炭酸ガスレーザーのみが関節軟骨の照射した場合, レーザーの焦点を絞れば線状に関節軟骨が切開され, レーザーを散乱させると出力が大きいと関節軟骨は熱変性を起こし, 出力が小さいと短時間照射では肉眼的にも, 病理学的にも関節軟骨に変化は起こらないが, 長時間照射では出力が小さくても熱損傷を関節軟骨に発生させる. レーザーによる関節軟骨を強化する実験では1〜3Wの炭酸ガスレーザーを5-10秒間照射してレーザーの効果を観察した. 2.低出力・短時間炭酸ガスレーザー照射直後の肉眼的変化, 病理的変化は認められなかった. ウサギの膝関節を開放し, 大腿骨関節軟骨に1W, 3Wの炭酸ガスレーザーを10秒間照射し, 1週後, 2週後, 3週後, 4週後に関節を摘出し, 病理学的に検討したが, 各週間に著明な変化は認められなかった. 3.ウサギ膝関節を開放し, 前十字靭帯を切離した後に大腿骨関節面に, 1W, 3Wの炭酸ガスレーザーを10秒間照射し, レーザー照射を行わない群と関節軟骨の変化を比較した. 1, 2, 3週後はレーザー照射群とレーザー非照射群との間に大きな差は肉眼上, 病理学上に差を認めなかったが, 4週後群ではレーザー照射群はレーザー非照射群に比較し変性の程度が, 病理学上軽度であった.
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