1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570718
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤座 英之 東京大学, 医学部(病), 講師 (70010486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 周二 東京大学, 医学部(病), 助手 (90186015)
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Keywords | 膀胱癌 / 発癌 / N-butyl-N-(4-hydroxybutyl)nitrosamine / LH・RHanalogue / ホルモン依存癌 / 性差 |
Research Abstract |
BBN投与による膀胱癌発癌の各時期(initiaion,promotion)にLH・RH analogueを投与し、腫瘍の発生頻度、数及び大きさを拡大鏡下に観察したのち、H・E染色標本を作成し、顕微鏡下に腫瘍の組織学的検討を行った。 1.方法 投与したBBNの量は0.05%(水道水)とし、LH・RHanalogueは4週毎にdopot typeを1mg/kg体重皮下注した。実験群は、1群:BBN単独投与(n=45)、2群:BBN投与に加え、BBN投与開始2週前と開始2週後の2回LH・RHanalogueを投与した(n=25)、3群:BBN投与6週後より4週毎LH・RHanalogueを22週まで投与した(n=25)、4群:BBN投与開始2週前より開始後22週まで4週毎にLH・RH analogueを加えた(n=24)、5群:BBN投与開始1週前に両側睾丸を摘除した(n=24)。 2.結果 テストステロンが抑制されることにより、(1)BBN膀胱発癌は抑制された。(2)両側除睾術を受けた群に比較して、LH・RHanalogueを投与した群の方が発癌の抑制は強度であった。(3)LH・RHanalogueをpromotion期(第3群)または全期間(第4群)投与した群での発癌の抑制の程度はintiaion期(第2群)に投与した群に比して強度であった。 以上のことから少なくとも雄性RatにおけるBBN膀胱発癌においてはテストステロンが関与すること(LH・RHanalogue投与によりテストステロンが去勢レベルまで低下することは前年度の研究で確認した。)また、特にその関与は発癌のpromotionの時期と深い関係があることが判明した。 またLH・RHanalogue投与群に除睾術群より強い発癌抑制効果が認められたことより、膀胱癌発癌と視床下部-下垂体-睾丸における男性ホルモン制御系の関与、あるいはLH・RHanalogueの発癌抑制における直接効果の検討をさらに行う必要性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 赤座英之、松木克之、亀山周二、阿曽佳郎: 日泌尿会誌. 80. (1989)
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[Publications] Akaza,H.;Matsuki,K.;Aso,Y.: Cancer.