1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
カルモデュリン結合蛋白質のプロラクチン分泌機構における役割
Project/Area Number |
62570754
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Osaka University. Department of Obstetrics & Gynecololy |
Principal Investigator |
廣田 憲二 大阪大学, 医学部, 助手 (00189888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 浩三 大阪大学, 医学部, 助手 (60194875)
三宅 侃 大阪大学, 医学部, 講師 (90093468)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Keywords | プロラクチン / ドーパミン / 下垂体前葉 / 視床下部 / カルモデュリン / カルスペクチン / カルシウム |
Research Abstract |
プロラクチン(PRL)の下垂体からの分泌はTRHによって促進され, ドーパミン(DA)によって抑制される. TRHはカルシウム(Ca^<2+>)を介して細胞内情報伝達を行ないPRL分泌促進することが知られている. 62年度はPRL分泌におけるCa^<2+>, カルモデュリン(CaM)の役割を検討し, さらにDAのPRL分泌との関係を明らかにするためにラット視床下部の初代培養を行ない, DA分泌についても検討した. 実験系では下垂体前葉細胞, 視床下部の初代培養を行ないこれを用いた. 実験結果は下記のとうりであった. (1)maitotoxia(MTX)は5mg/nl〜100ng/mlで細胞内の^<45>Caの取りこみを促進し, PRLを放出した. (2)MTXの作用はカルシウムの阻害剤であるMnで抑制された. (3)MTXはPRL放出とアラキドン酸放出をもたらし, Ca^<3+>を含まない培養液中ではMTXの作用が認められなかった. (4)TRH刺激によるPRL分泌およびアラキドン酸放出はカルシウムチャンネルの拮抗剤であるpenfaridolで阻害された. このようにPRL分泌時にはCaの細胞内への流入が必要であることが示された. CaMの拮抗剤であるW7はMTX刺激によるPRLによるPRL分泌は約50%抑制された. (5)PRL産生腫瘍であるGH_3にCaM結合蛋白であるカルスペクチンの抗体を用いて, TRH, PMAの刺激によるカルスペクチンの細胞内変化が認められなかった. 視床下部の初代培養細胞を用いてDAの分泌と再吸収機構について検討した結果, (6)CAMPはDAの再吸を促進した. (7)DA分泌はMTX, ionophpreで促進された. 以上の結果よりDAの再吸収, 分泌はCAMP, Ca^<2+>によって調節されていることを明らかにした. 今後, PRL分泌におけるCaM, CaM結合蛋白との関係を電気泳同によるリン酸化の分析によって明らかにしていくとともに, PRL分泌とDAとの関係をinvitro系で検討していく予定である.
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[Publications] 池上博雅: 日本産婦人科学会雑誌. 39. 1371- (1987)
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[Publications] Kenji Sobue: Pro. Natl. Acad. Sci USA. 84. 1916-1920 (1987)
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[Publications] 広田憲二: 日本内分泌学会雑誌. 63. 515- (1987)
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[Publications] Kenji Hirota: Cancer Research. 47. 3742-3746 (1987)
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[Publications] 池上博雅: 日本内分泌学会雑誌. 63. 407- (1987)
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[Publications] A. Miyake: Neuroendocrinology. 45. 191-196 (1987)