1987 Fiscal Year Annual Research Report
繊毛性ゴナドトロピン(hCG)の癌性糖鎖変化の解析とその臨床応用
Project/Area Number |
62570756
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西村 隆一郎 神戸大学, 医学部, 助手 (00127383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足高 善彦 神戸大学, 医学部, 助教授 (10030959)
望月 真人 神戸大学, 医学部, 教授 (80030922)
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Keywords | ヒト繊毛性ゴナドトロピン / 癌性糖鎖変化 / 繊毛性疾患 / 糖蛋白質 / 糖蛋白ホルモン / 繊毛癌 |
Research Abstract |
1.侵入奇胎患者尿中hCGの糖鎖構造:我々は既に胞状奇胎と絨毛癌の患者尿中に含まれるhCGのアスパラギン結合糖鎖措置を分析し, 胞状奇胎hCGの糖鎖構造が正常妊婦尿hCGの場合と全く変らないのに対して, 絨毛癌hCGには8種類もの異常糖鎖が含まれていることを見出した(Grann76, 752, 1985). かかる観点から, 臨床的に胞状奇胎と絨毛癌の中間的位置にある侵入奇胎hCGの糖鎖構造を検討した所, 次のような興味ある事実が判明した. 即ち, 侵入奇胎hCGのアスパラギン結合糖鎖には絨毛癌hCGで認められた8種類の異常糖鎖の内, 5種類までが含まれていることが判明した(Cancer Res.47, 5242, 1987). これら糖鎖の構造解析から, 異常糖鎖の生合成はN-アセチルグルコサミン転移酵素IVの異所発現に基づくものであることが判ったが, 侵入奇胎ではその基質特異性が保たれているのに対して, 絨毛癌ではそれが失われているものと推定された. 2.異常構造hCG検出法の開発:hCGをDTT還元後, SDS-PAGEで泳動すると, α, β subunit以外に抗hCGβC末端ペプチド(CTP)抗体に親和性を有する物質(CTP')が遊離されることを見出した(Gann, 78, 833, 1987). さらに種々の特異的抗体を用いたWestern blotや架橋試薬を用いたcross-linkingによる検討の結果, CTP'はβ subunitが切断されて生じるものであることが判明した. このCTP'は侵入奇胎と絨毛癌患者の尿中hCGにおいて極めて顕著に観察され, しかもその検出法も簡便であることから, 絨毛性疾患の診断, 特に胞状奇胎の続発性変化の予知への臨床応用が期待される. このようなβ subunitの断片化現象は我々が初めて見出したものであるが, 現在その原因を探るためにその切断部位の決定すべく, アミノ酸配列を分析中である.
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[Publications] Ryuichiro Nishimura: Jpn. J. Cancer Res.(Gann).78. 833-839 (1987)
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[Publications] Tamao Endo: Cancer Research. 47. 5242-5245 (1987)
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[Publications] Jiro Ishikawa: Acta Pathol. Jpn.38. 113-120 (1988)
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[Publications] 井出一夫: 日本産科婦人科学会誌. 39. 2105-2112 (1987)
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[Publications] 井出一夫: 日本産科婦人科学会誌. 40. 160-166 (1988)
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[Publications] Junko Amano: J. Biol. Chem.