1987 Fiscal Year Annual Research Report
半導体レーサー光の生体活性効果に関する基礎的研究, とくに硬組織誘導能について
Project/Area Number |
62570813
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
武田 泰典 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (60137536)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 容子 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (70165372)
|
Keywords | 半導体 / 低出力レーサー光 / 骨創傷治癒 / 骨芽細胞 / ラット / 顎下腺 / 顆粒管上皮細胞 / 核分裂 / 生物活性因子 |
Research Abstract |
1.半導体レーザ光の骨創傷治療に及ぼす影響について: 半導体レーザ光が受傷後の骨組織の再生に如何なる影響を及ぼすかを実験的に検討した. 実験には8週齢の雄性ウィスター系ラットを用い, 上顎第一臼歯を抜歯した. 抜歯後, 実験群では屠殺日まで連日5分間, GaAsレーザー光を照射した. レーザー光の照射を行なわなかったもの対照群とした. その結果, 実験群では肉芽組織の形成とその線維化傾向, 類骨組織と仮骨の形成は対照群に比較して早期に進行していた. とくに, 初期における間葉系細胞からの骨芽細胞の分化と骨基質の形成時期に差がみられた. 以上の結果より, 半導体レーザー光は肉芽組織の器質化とそれに引き続く骨芽細胞の誘導に効果があるものと考えられた. 2.半導体レーザー光のラット顎下線に及ぼす影響について: 雄ラット顎下線は種々の生物活性因子を分泌しており, カルシウム代謝にも重要な役割りを果している. そこで, 雄性ウィスター系ラットを用いて, 半導体レーザー光の顎下腺に及ぼす影響を検討した. 実験群には露呈した顎下腺にGaAsレーザー光を5分間1回照射し, 対照群には偽手術のみを行なった. その結果, 照射直後から顆粒管上皮細胞の核分裂像数が増加しはじめ, 照射後24時間目で対照群の約5倍に達していた. 2日目以降は対照群と同数に回復していた. なお, 腺房細胞には特に変化は認められなかった. 以上の結果より, 種々の生物活性物質を分泌しているラット顆粒管上皮細胞は低出力レーザー光に対する独特の感受性を有しているものと考えられた. 本研究で得られたと同様の結果は未だ内外で報告されていない.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Yasunori TAKEDA: International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery.
-
[Publications] 武田泰典: 医学と生物学. 114. 321-323 (1987)
-
[Publications] 武田泰典: 医学と生物学. 115. 95-98 (1987)
-
[Publications] 武田泰典: 唾液腺シンポジウム.
-
[Publications] Yasunori TAKEDA: Journal of Oral Pathology.