1988 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質における歯根膜機械受容の遅順応性ニューロンの存在に関する研究
Project/Area Number |
62570825
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
刈田 啓史郎 東北大学, 歯科部, 助教授 (40004600)
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Keywords | 歯根膜機械受容ユニット / 受容野 / 大脳皮質体性感覚野 / ネコ / 方向特異性 |
Research Abstract |
前年度に視床VPM核において調べたところ、歯根膜遅順応性機械受容ユニットが43.8存在していた。これらのニューロンから大脳皮質への投射によって、全てが速順応性となる可能性は少いと考えられたことから、大脳レベルでの遅順応性ユニットの存在が考えられた。実験はネコをアルファクロラロース麻酔し、大脳皮質体性感覚野より、タングステン微小電楹によりユニットを記録した。記録できたユニットは62個であった。その中で5ユニット(8%)が遅順応性であり、57ユニット(91.9%)が遅順応性であった。その中で方向特異性のあるものが3ユニット(7.5%)、ないものが37ユニット(92.5%)であった。受容野については、歯列を四分割して、それのどれくらいの数まで広がっているかについて調べたところ、1Quadrant(四分割)ユニットが27(43.5%)、2Quadrantユニットが20(32.3%)、3Quadrantは0、4Quadrantが7(17.5%)であった。その結果、次のことが結論できる。 1)数は少なかった(8.0%)が、大脳皮質体性感覚野には遅順応性ユニットが存在していることが明らかとなった。いままで、遅順応性ユニットが報告されていなかったのは、研究の目標が順応性を問題にしなかったためとも考えられる。 2)遅順応性ユニットは視床VPM柱で43.8%もあるのに対し、大脳皮質体性感覚野では80%であり、大きくその比率を下げている。同時に方向特異性も視床では19.8%で、大脳皮質では7.5%と、これも比率が下がっている。しかしながら、受容野については、視床での広がりと大脳皮質での広がりとそれほど変わりがないことから、三●神経核から視床への投射の時の変化よりも、視床から大脳皮質への投射のときの変化が少いと思われた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Karita,K;Tabata,T.: J.Physiol.Soc.Japan. 50. 512-512 (1988)
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[Publications] KArita,K;Tabata,T.: Neuroscience Research. Supple7. S195 (1988)
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[Publications] Izumi,H.;Karita,K.: Brain Research. 449. 328-331 (1988)
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[Publications] Izumi,H.;Hayashi,S.;Karita,K.: LIfe Sciences. 42. 1529-1535 (1988)
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[Publications] 刈田啓史郎,和泉,博之,栗和田しづ子,笹野〓嗣,三条大助: 日本疼痛学会誌. 3. 30-30 (1988)
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[Publications] 和泉博之,栗和田しづ子,刈田啓史郎: 東北大学雑誌. 101. 159-175 (1988)
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[Publications] 織田正豊 他: "歯科用語小辞典(基礎編)" クインテッセンス出版 K.K, 1-333 (1988)