1988 Fiscal Year Annual Research Report
MC3T3-E1細胞のプロティイン・ホスファターゼ。モノクロナール抗体と^<31>P NMRでの研究
Project/Area Number |
62570832
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 浩二郎 岡山大学, 歯学部, 助手 (00144775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 茂彦 岡山大学, 歯学部, 教授 (50034161)
川本 奉之 岡山大学, 歯学部, 非常勤講師
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Keywords | アルカリホスファターゼ / アシドホスファターゼ / MC3T3-E1 |
Research Abstract |
1.当該年度予定のMC3T3-E1細胞のアルカリホスファターゼ及びアシドホスファターゼのモノクロナール抗体作製に先だって、同細胞の増殖に伴うチロシン残基に特異的なキナーゼ・DNA量・カルシウムの沈着量の経時変化に対応させて、それらホスファターゼの発現状態を詳細に調べた。その結果は、次の様であった(論文作成中:1989Alkaline Phosphatase Symposium(Fed.1-3,La Jolla),Biology of Cellular Transducing Signals '89(May 8-12,Washington D.C.)にて発表)。 (1)ホスホチロシンに特異的なアシドホスファターゼの発現は、細胞培養開始後8日目でピークになり、その4日後にはそのピークの約2/3にまで減少し、そのレベルは42日後になっても維持されていた。この傾向は、細胞の全キナーゼ活性の発現状態に対応していた。(但し、チロシン・キナーゼ部分の活性は培養開始直後が最大で、急激な減少が相次ぎ、8日目にはその活性はほとんど検出できない程度に成っていた。)。 (2)一方、アルカリホスファターゼは細胞培養開始後4日目までは全く発現していなかったが、4日目以後次第に上昇し、12日目に一度ピークに達した後に減少を続け、36日目を過ぎたあたりから再び発現状態は上昇し始めた。このアルカリホスファターゼの後期での発現に対応して、細胞外へのその分泌が起こっていた。 (3)アルカリホスファターゼの最初のピーク後、約一週間でDNA量の増加(細胞分裂)は停止し、同時にカルシウム沈着量の急激な増加がアルカリホルファターゼの細胞外分泌に対応した形で観測された。 2.上記に示したホスファターゼの最大発現の培養日数(アシドホスファターゼ:培養開始後8日目、アルカリホスファターゼ:培養開始後12日目及び36日目以後)をめどに、それらのホスファターゼの大量精製もほぼ終わり、引続き抗体作成を準備中である。(秋には終了予定)。
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[Publications] Kojiro Takahashi.: Biochem.J.
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[Publications] Kojiro Takahashi.: FEBS Letter.
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[Publications] Kojiro Takahashi.: Eur.J.Biochem.
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[Publications] Yasuhiro Nakayama.: Eur.J.Biochem.