1987 Fiscal Year Annual Research Report
根管滲出液の免疫学的検索, 特に好中球の働きについて
Project/Area Number |
62570865
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鶴町 保 日本大学, 歯学部, 講師 (60139201)
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Keywords | 根管滲出液 / 免疫学的検索 / 好中球 / 塗抹標本 / 根尖病巣 |
Research Abstract |
従来から行なわれていた根管滲出液細胞成分の検索は, Giemsa染色された塗抹標本を光学顕微鏡で観察し, 患歯の治療方針の決定や治療効果の判定に役立てられていた. しかしこの染色法のみでは, 刻々変動する病態を知る上で不可欠な細胞内の特殊な成分や小器官の構造変異, さらに病単内に遊走した白血球の細胞機能を正確にとらえることは不可能である. そこで研究者は, まずWrights染色で形態学的に細胞を観察した後, 細胞成分の大半を占めた好中球について電子顕微鏡で細胞内の詳細な観察を行い, さらにその貧食能・殺菌能などの細胞機能について研究を行なった. 初年度は極めて狭小な根管内からの試料採取法の確立と細胞成分の分離, そして光顕的及び電顕的観察のための標本作製技術の習得に主眼を置き, 下記の方法を確立した. 1.試料採取法の確立 ラバーダム防湿下で20ul Drummond Microdispender R Eplacement Tuleにより試料を採取した. 得られた滲出液をPBSで希釈後, 4C, 10分間, 400gで遠沈し, その沈清を同様に2回PBSで洗浄し分離細胞を得た. 2.光顕的観察 得られた細胞を5×105cells/mlに再調整した後, CytospinIIにて細胞塗抹標本を作製し, Wrights染色を施し, 光顕下で形態学的に観察した. 3.電顕的観察 得られた細胞を2.5%gluta aldehyde にて1時間固定し, 0.1Mcacodylate buffer で洗浄後, 2%osumium tetroxide にて1時間固定し, 通法により脱水し, Spurrs mediumにて包埋して超薄切片を作製した.
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