1988 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝における血小板活性化因子(PAF)の役割に関する研究
Project/Area Number |
62570910
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三谷 英夫 東北大学, 歯学部, 教授 (50014220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 薫 東北大学, 歯学部, 助手 (70202851)
平藤 雅彦 東北大学, 歯学部, 助手 (20142987)
小倉 保己 東北大学, 歯学部, 名誉教授 (60091667)
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Keywords | 血小板活性因子(PAF) / 骨吸収 / 骨形成 / MC3T3-E1 |
Research Abstract |
本研究は最近注目を集めている炎症のケミカルメディエーターであるPAF(血小板活性化因子)の骨代謝における役割を明らかにすることを目的として行われた。まずPAFが同じ細胞膜りん脂質由来のオータコイドであるプロスタダグランディンヤロイコトリエンにみられるような強力な骨吸収活性を有するか否かということについては、本実験結果は、そのような活性はかなり低いものではないかと思わせるものであった。しかし、本研究で用いた実験方法や条件等については再検討しなければならず、結論は現時点では明確にはできない。次に、PAFの骨芽細胞に及ぼす作用については、本研究結果からPAFには骨芽細胞様細胞MC3T3-E1による石灰化を抑制する作用があり、その作用は内因性PGE_2を介するものではないことが示唆された。この結果は、培地中に10%の血清を含む条件下で得られた10^<-6>MのPAFの作用であることを考慮すると注目に値する。しかし、この作用がPAFに特異的であるか否かについては今後検討が必要である。本研究結果からはさらに、骨芽細胞様細胞MC3T3-E1にはアセチルハイドラーゼ活性が存在し、PAFは一時間以内に約90%が分解代謝されることが示された。一方PAF生成活性はほとんどないことがわかり、PGE_2のように骨芽細胞由来の因子としてPAFが骨代謝に関与している可能性は少いと考えられた。
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[Publications] Masahiko,Hirafuji: Biochem.Biophys.Res.Commun.154. 910-917 (1988)
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[Publications] Masahiko,Hirafuji: Europ.J.Pharmacol.
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[Publications] Kaoru,Igarashi: Calcif.Tissue Int.
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[Publications] Masahiko,Hirafuji(edit.by Y.Ogura and K.kisara): "Taends in pharmacological research on platelet activating factor (PAF) in Japan." Ishiyaku Euro-America Inc., 1-10 (1988)