1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570911
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
栗原 三郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70126225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 順一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90151232)
三浦 不二夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90013789)
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Keywords | 破骨細胞 / 歯科矯正学 / 圧力 / 16mm顕微鏡映画 |
Research Abstract |
歯の移動にともなってみられる歯槽骨吸収という矯正臨床上, 非常に重要な組織変化の主役は破骨細胞であり, その多核で大型の細胞の働きにより, 骨吸収が進行し円滑な歯の移動が行われる. 現在までに申請者らは培養系における破骨細胞の動的な骨吸収様相を16mm顕微鏡映画にて撮影することにより, その細胞動態を観察してきた. しかし, 矯正学的な歯の移動時にみられる骨吸収の動態を直接観察している研究はない. そこで, 本研究では, 破骨細胞に直接または間接的に圧力をかけ, その際の骨吸収動態を経時的に観察することを目的とする. 昭和62年度には当初3群に分かれていた実験計画のうち第一と第二の研究をほぼ終了することが出来た. すなわち, 第一の研究では, 小さなポンプにより培養液が閉鎖経路を循環するローズチャンバーを用い, 破骨細胞の動態を顕微鏡映画に撮影し, 骨吸収様相を詳細に観察できるようになり, またその映画を画像処理することにより, 骨吸収速度や細胞の移動速度を定量化することができるようになった. 特に, 速度の定量化にはデジタイザーによる半自動入力の分析システムばかりでなく, ビデオ信号を直接入力し, デジタル画像化し分析するシステムもほぼ完成した. また, 第二の研究では, 約50mmHgの圧力を培養系全体にかけることができ, その方法によれば, 破骨細胞に培養液を介し, 間接的に圧力をかけることが可能になった. そこで, 昭和63年度には閉鎖系循環経路に種々の圧力をかけ, その際にみられる破骨細胞の変化を16mm顕微鏡映画やビデオシステムに記録するとともに, マイクロマニピュレーターを用い, 破骨細胞に対し, 圧迫力を直接付与し, その反応を検討する予定である.
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