1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570911
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
栗原 三郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70126225)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 順一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90151232)
三浦 不二夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90013789)
|
Keywords | 破骨細胞 / 圧力 / 直接的機械刺激 / 活性化 / PMA / 破骨細胞融合 / 変性型破骨細胞 |
Research Abstract |
昭和63年度には破骨細胞と圧刺激に関してさらに詳細な研究を行うことが可能となった。すなわち,1)破骨細胞への直接的な機械的刺激の付与や2)破骨細胞の活性科の様相や3)破骨細胞の変性過程の連続的な観察等の研究を追加することが出来た。1)の項目の研究では直接的な機械的刺激の破骨細胞への影響をみるために,培養下にある破骨細胞に微細ガラス管により培養液を噴射した。その際の破骨細胞の形態変化は顕微鏡映画にて連続記録され,検討されたが,骨吸収を活発に示していた破骨細胞はこのような比較的強力な機械刺激を受けると,すぐに骨吸収能を失った。また,微細ガス管にて直接破骨細胞に接触した場合にも,培養液による関節刺激の場合とほぼ同様な退行変化が観察された。2)の項目に関する研究では,破骨細胞の活性化の一過程である細胞融合の検討を行い,また生物活性物質の直接投与により破骨細胞の骨吸収能の上昇について検討を加えた。破骨細胞の融合に関して,細胞融合の事実は数多く報告されているが,形成された多核巨細胞が破骨細胞であるという直接証拠は少なかったが,本研究においてある種類の骨髄細胞が融合し,多核巨細胞になった後に骨吸収を営むという事実を16mm顕微鏡映画によって連続的に撮影することが出来た。また,破骨細胞を直接活性化する物質としてPMAを用い,先端の直径が5-10μmのガラス管により破骨細胞に直接投与した。その結果,破骨細胞は辺縁における細胞突起や膜様の突起を激しく運動させ,さらに骨と接している部分での原形質が激しく動揺し,骨吸収活性能の上昇を示唆する所見が得られた。3)の項目の研究では破骨細胞を長期間培養した際に,骨吸収を積極的に営んでいた破骨細胞が変性像を示し,変成が進行すると周囲のマクロファージが変成破骨細胞を取り囲み,食作用により処理する様相が顕微鏡映画で観察された。
|
-
[Publications] Saburo,Kurihara;Fujio,Miura: 日本矯正歯科学会雑誌. 48巻. 156-157 (1989)
-
[Publications] 栗原三郎、三浦不二夫: "「歯の移動と骨吸収」骨吸収に関する諸問題-基礎と臨床" 西村書店, 75-91 (1987)
-
[Publications] 三浦不二夫、栗原三郎: "「骨吸収現象とPG」講座プロスタグランヂン 腎と硬組織" 東京化学同人, 301-316 (1988)