1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570971
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
杉林 堅次 城西大学, 薬学部, 講師 (00105834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 朋美 城西大学, 薬学部, 助手 (10198749)
夏目 秀視 城西大学, 薬学部, 助手 (40180533)
從二 和彦 城西大学, 薬学部, 助教授 (80111178)
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Keywords | 薬物担体 / 粘性油性製剤 / 組織滞留性 / 癌部位集積性 |
Research Abstract |
塞栓能を有する薬物担体としてオレイン酸及びオレイン酸エチルを選び, これらに増粘剤(ステアリン酸アルミニウム又はエチルセルロース)を添加して粘性油性製剤を調製し, その塞栓性及び滞留性を定性的及び定量的に検討した. それらの結果を以下に示す. 1.粘性油性製剤を動脈内投与したときの血管塞栓能の顕微鏡的観察 (1) ハムスター煩袋内の動脈での塞栓性は, 油性製剤の粘性により異なり, 粘度が高いほと塞栓部位の血管径は大きく, また塞栓時間は長かった. (2) ラット胃動脈において, 粘度が40cp以下の製剤では塞栓が観察されず, 動脈内から短時間に排除された. 一方, 80〜120cpの製剤では, 動脈塞栓が観察されたものの塞栓時間はハムスターのそれに比べ短かった. 2.標識体を用いた粘性油性製剤の組織内滞留の検討 (1) 油性製剤の滞留性は, 粘度の増加に伴ない高くなり, その硬化はハムスター煩袋>肝臓>胃〓肝臓の順であった. (2) 胃及び腎臓では, 投与初期に粘度の違いによる滞留性の違いがみられたものの24時間以降は変わらなかった. (3) オレイン酸とオレイン酸エチルの滞留性を肝臓で比較すると, オレイン酸の方がその効果は高かった. この結果について組織学的に検討すると, オレイン酸投与では肝実質細胞の壊死がみられ, このことが組織滞留性の増加に大きく関与していると思われた. 以上の結果から, 63年度はまず, モデル臓器癌を用いて癌組織に対する油性製剤の塞栓性や癌部位集積性を測定する. 次に, 制癌剤を含有した油性製剤を調製し, 担癌動物投与時の制癌剤の臓器分布と抗腫瘍効果を測定する. これら2年間の結果から, 粘性油性製剤と含有された制癌剤の癌部位集積制と抗腫瘍効果の関係を明らかにする.
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Research Products
(2 results)