1988 Fiscal Year Annual Research Report
組織プラスミノーゲンアクチベーター八鎖のRI標識法の開発と血栓イメージング
Project/Area Number |
62571012
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Research Institution | Osaka University Medical School |
Principal Investigator |
木村 和文 大阪大学, 医学部バイオメディカル教育研究センター, 助教 (40028402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 章 大阪大学, 医学部附属病院中央放射線部, 医員
井坂 吉成 大阪大学, 医学部第一内科, 助手 (60202925)
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Keywords | 組織プラスミノーゲンアクチベーター / 動脈硬化 / 血栓症 |
Research Abstract |
昨年度は、主として組織プラスミノーゲンアクチベーター(tissue plasminogen activator,tPA)のRI標識法について検討し、ヨードゲン法によって生物活性を保つ良好なIー131標識tPAを得た。 本年度は、これを用いin vivoにおける血栓集積法を検討した。すなわち、家兎において大動脈内膜剥離血栓形成モデルを作成し、血栓形成部位における^<131>IーtPAのin vivoの集積を検討した。血栓モデルの作成は、腹部大動脈においてFogarty 4Fカテーテルを用い、膨らませたバルーンによる擦過を繰り返し内膜を剥離することによって行った。内膜の障害部位には形態学的にフィブリンと血小板から成る血栓が形成された。 実験的血栓を作成後^<131>IーtPAを経静脈的に投与し、投与15分、30分後における同部への集積を放射能カウント、およびオートラジオグラフィで検討した、血栓形成部血管壁と血液の重量当たりの放射能の比は、1.39±0.32(15分後)および1.36±0.23(30分後)であった。さらに、オートラジオグラフィでも、血栓形成部には内膜健常部に比し明らかなRI集積を証明した。また、in vivoにおける^<131>IーtPAの半減期は2.9±0.4分であった。 以上の成績よりRI標識組織プラスミノーゲンアクチベーターは血栓形成部位へ有意に集積することが明らかにされたが、その集積率はシンナグラフィに応用するにはなお十分ではなかった。その原因として、生体内の代謝速度を非常に速いこと、一旦集積したものもフィブリンの融解により流出することなどが考えられた。
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