1987 Fiscal Year Annual Research Report
日本の被占領下における看護政策の実施と地方都市への浸透, 1945〜1951
Project/Area Number |
62571043
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
ライダー 島崎 玲子 北里大学, 看護学部, 助教授 (90191676)
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Keywords | GHQと看護改革 |
Research Abstract |
1.連合國軍最高司令官総司令部設立(G.H.Q. S.C.A.P.) 1945年10月2日, マッカーサー元帥は東京に総司令部を設置した. この組織は, 戦争中, ワシントンD.C.の「国務, 陸, 海軍三省調整委員会」で論議されていた直接統治と異なって, 4つの参謀部と9つの幕僚部スタッフ局から成立し, 日本政府の各省と対応して組織され, 占領軍による指導, 勧告は, 日本政府の各省を通して実施されるといった間接占領統治が採用された. オクト少佐のひきいる看護課は, サムス准将の指導する公衆衛生局の下に属していた. 公衆衛生局は主に日本の厚生省との折衝が多かったが, サムス准将は, 保健医療政策をより能率的, かつ効果的に実施するために軍隊としては稀な横のコミュニケーションをはかり, GHQの各部局と日本政府の各省との協調を促進した. 後にオルト少佐監督のもとに日本人ナース, 医師による看護教育審議会が結成され, 看護サービスの改善と看護教育の向上をはかった折その問題の内容により, 日本政府及びGHQの適切な関連局から代表を審議会に招聘し, 建設的な助言を得て, 問題を開設することが出来た. 2.総司令部と地方行政部との折衝 総司令部より発せられた指導, 勧告は, 日本政府の連結調整事務局に於て翻記され日本の該当省に通達され, 法令や規則となって, 都道府県, 市町村の適切な課へ下達され, 実施に移された. この指示を徹底的に実施するためにGHQは第8軍に指令を出し都道府県の軍政チームに連絡した. 軍政チームの係官が, その地区の医師, ナースの改革活動を監督した. 地方における改革が成功したか否かは, 軍政チームメンバーと, 日本側とのpositoreな人間関係の有無によるものが多かった.
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