1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580050
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
疋田 洋子 奈良女子大学, 家政学部, 助教授 (90031674)
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Keywords | メンテナンス / 損傷 / 修理 |
Research Abstract |
この研究は、住宅の予防的管理についての指針と管理しやすい住宅についての資料を得ることを目的に調査を行ったもので、本年度は、ハウスクリーニング業者に、実際の清掃を通じて、清掃の困難な場所とその原因対策を、また、修理業者に実際に修理した家の修理実態から住宅の傷む過程や必要な費用についてアンケート調査した。 (1) 住宅の清掃上の問題点について 最近、特に住宅設計も設備機器の製造もそれを選ぶ側もデザインを重視する傾向があり、そのことが、住宅の管理を困難にしている。吹き抜けのはめ殺し窓やシャンデリア、格子窓、出窓、天窓など、人の手が届きにくい構造は清掃が困難で放置されがちとなる。メンテナンスを配慮した構造上の工夫や道具の開発が望まれる。また、台所では、レンジフード、換気扇(モーター部も)、システムキッチンの諸設備の取り外しの簡便さが望まれている。さらに、居住者が日常管理を怠らないことの大切さが指摘された。 (2)修理業者からの提言 修理業者の調査からは、住宅の傷みと敷地条件との関係が深いことがわかった。すなわち、南上がりの土地や、道路より敷地が低いもの、庭木のために敷地に盛土をし住宅部分が低くなったもののほか、排水管の傾斜が悪く敷地が湿潤したり、床下換気口の数が少なく湿潤しているものなどは、土台、床、柱、外壁に至るまでの損傷が早いようである。損傷を発見してから修理に至るまでの放置期間が10年を越えるものもあり、損傷をより大きくしている。放置の理由は、経済的なことが上げられるが、放置したことによりさらに多額な費用がかかること、また、突発的に必要な場合が多く、計画的な資金の準備が必要であることがわかった。
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