1988 Fiscal Year Annual Research Report
In Vivo における生体内物質とニトロソ化合物の複合作用
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62580066
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
平良 昌彦 武庫川女子大学, 家政学部, 助教授 (00085242)
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Keywords | ニトロソ化合物 / MNNGの変異原性 / 末梢血を用いる小核試験 / 自然小核出現頻度 / SCE試験 / ESR(電子スピン共鳴) |
Research Abstract |
ニトロソ化合物は、生理的条件下において容易に生成する。しかし、その生成量から予測されるほど発癌は起っていない。そこで、この化合物による発癌を修飾している因子の存在を考え、本研究に着手した。 まず、代謝活性化を必要としないモデル化合物MNNGの最も鋭敏な菌株 TA1535を見い出だし、検出濃度の閾値1μg/pを決めた。この研究過程でMNNGは、閾値以下の濃度においてカドミウム、水銀の毒性元素はもちろん非毒性元素カルシウム、マグネシウムが存在するとMNNGの変異原性に対し大きな相乗作用のあることを新知見として得た。次にIn Vivoにおける変異原性を同一固体で継時的に追跡できる系としてのとしての末梢血を用いる小核試験を確立した。そして、DMNモデル化合物を用いた研究を実施した。 食事由来のアミンと亜硝酸塩、ジメチルアミンと亜硝酸塩、ビタミンC,食塩、DMN(ジメチルニトロソアミン)陽性対照と普通食(対照)を90日間与え、体重の変化、薬物摂取量、水摂取量、餌摂取量、については毎週測定した。解剖時には体臓器重量比、血液中フリーラジカル濃度、血液中酸化脂質濃度を測定した。更に30日毎にマウスの末梢血を用いる小核試験によりIn Vivoの変異原性を継時的に追跡した。しかし、級内変動の大きく、解析を困難にしている。前年度の研究で、2価の陽イオン存在下でMNNGの変異原性に対して大きな相乗作用のあることを新知見として得たので、そのメカニズムについて、ESR(電子スピン共鳴)により検討したところ・OHは補足できたが、まだ、そのメカニズムの解明は出来ていない。次年度は62年度、63年度のデータをふまえ、ヒトへの外挿を目的にモデル化合物についてIn VivoとIn Vitroの中間系としての変異原性試験であるヒトリンパ球を用いたSCE試験を加え、総合的に検討し、研究を完成させたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 平良昌彦: 日本衛生学雑誌. 43. 125 (1988)
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[Publications] 平良昌彦: 日本公衆衛生雑誌. 35. 489 (1988)
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[Publications] 平良昌彦: 武庫川女子大学紀要. 35. 373-377 (1987)