1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580076
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
荒牧 正也 名古屋大学, 理学部, 助教授 (00022567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 俊吉 名古屋大学, 工学部, 助手 (10023095)
沢田 昭二 名古屋大学, 理学部, 助教授 (50022546)
早川 幸男 名古屋大学, 学長 (60022498)
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Keywords | 素粒子論の方法 / 坂田昌一「物理学と方法」 |
Research Abstract |
この年度で坂田資料の分類・整理もやや進み、資料を利用しての研究が可能となってきた。とくに手稿の整理によって、あたらしくいくつかのものがみつかり、追加されてその全体がまとめられた。これはこの年の夏(8月)にだしたパンフレットIntroduction to the Sakata Memorial Archiral Libraryに一端をうかがえるし、10月4日広島大学での日本物理学会物理学史分科会で物理学史資料処理の現状と課題と題するシンポジウムで報告された。 複合模型の形成をめざした坂田物理学の径路の上で、彼の方法論との関連は極めて重要であり、この関連が物理学研究と絡んで追究された。まず、大学卒業後から戦争の終結までの時期にわたって、このつながりがしらべられた。それは、小川・広川「坂田昌一における"物理学と方法"その1.物理学史通信No.67(1988)および同題・1988.3の日大工での日本物理学会年会での報告にまとめられた。この過程で坂田氏の未刊の原稿が見出され、それが方法論の形成への影響としていつかかれたものかという問題をめぐって考証された。それは、広川「未刊原稿坂田昌一"素粒子論の方法"の執筆時について」物理学史通信No.66(1988)。その後OgawaーHirokawa"Shoichi SakataーHis physics & Methodology"Historia Scientiarum No.36(March 1989)において方法論の問題をさらに当時の思想との関連でとらえようと試みた。とくに加藤正の坂田への影響が検討された。この指摘は今までもなされていたがこの詳細な点での議論は十分になされておらなかったのではないかと思われる。 今後、この方法と物理学の連関を時をおって追究し、複合モデルの問題にまで達する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小川修三: 物理学史通信. 66. 1-3 (1988)
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[Publications] 廣川俊吉: 物理学史通信. 67. 1-6 (1988)
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[Publications] S.Ogawa: Historia Scientiarum. 36. (1989)