1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580227
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
神沼 二真 (財)東京都臨床研, 生命情報工学研究室, 室長 (60113495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 敬子 (財)東京都臨床研, 生命情報工学研究室, 研究職員 (90124495)
大室 弘美 (財)東京都臨床研, 生命情報工学研究室, 研究職員 (00124470)
立野 玲子 (財)東京都臨床研, 生命情報工学研究室, 研究職員 (70150208)
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Keywords | C.エレガンス / 線虫 / コンピュータ・グラフィックス / 細胞配位 / 3次元再構成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、線虫(主としてC、エレガンス)の初期胚を、時間的・空間的連続な断層影像として記録し、これより細胞(割球)集団の立体的な配位構造の変化を経時的に決定することである。このことが可能となれば、細胞分裂の様子や移動を定量的に解析することができる。本年度も昨年度に引き続きC、エレガンスの野生株の初期発生がコマ撮りで記録されている16mmフィルムを解析するコンピュータシステムの開発を継続した。このシステムは、16mm映像をディジタル化してコンピュータ内に蓄積し、これを用いて細胞核の位置を対話式に計測して、3次元的に再編成し、それをコンピュータで立体的に表現する機能を有する。本年度とくに力を入れたのは、卵(胚)の外殻を正確に計測する手法である。これは、卵の左右軸に沿った原撮影(断層)像列から、内挿法により頭尾軸、脊腹軸に沿った断層像の列を合成するものである。卵の外縁は、当初楕円で近似していたが、誤差が大きく、卵形曲線の方がよいことが判明した。このような外枠の情報を入れて初期胚の細胞の位置座標を、正常株の2個体に関して87細胞期まで正確に決定した。また外部の研究者(NTTヒュマンインタフェース研究所の高橋時市郎氏ら)の協力を得て、後者が開発した高速の並列計算を用いてこの3次元座標から、胚発生における細胞分裂を動的に表示するアニメーションを作成した。さらに、われわれの得たデータを公開すべく、フロッピーディスクにデータを蓄えて表示できるパソコンのシステムも開発中である。このように解析システムとしては一応骨格が仕上ってきたが、コンピュータの演算能力に限界があり、処理が遅いのがネックになっている。次年度は、この点の改良を行う予定である。
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[Publications] T.Kaminuma,;R.Minamikawa,;I.Suzuki.: Pattern Recognition in Practice III(E.S.Gelsema and L.N.Kanal eds.).
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[Publications] 松本佳昭、金岡泰保、浜本義彦、富田真吾、南川玲子、神沼二真: 電子情報通信学会. 7-14 (1988)
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[Publications] 鈴木勇、神沼二真: 情報処理. 29. 1165-1169 (1988)
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[Publications] 神沼二真、南川玲子: 第19回画像工学コンファレンス論文集. 149-152 (1988)
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[Publications] 立野(南川)玲子、神沼二真: テレビジョン学会技術報告. 13. 25-30 (1989)