1988 Fiscal Year Annual Research Report
実験的行動分析における画像処理装置を用いた反応解析方法の開発
Project/Area Number |
62810005
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
小川 隆 明星大学, 人文学部, 教授 (30050850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真辺 一近 明星大学, 人文学部, 助手 (80209676)
出口 光 明星大学, 人文学部, 講師 (90188699)
小美野 喬 明星大学, 人文学部, 助教授 (00062323)
菅野 衷 明星大学, 人文学部, 教授 (60062311)
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Keywords | 画像処理 / 実験的行動分析 / 反応トポグラフィー / 反応計測 / 自動反応形成 / 行動対比 / 多元スケジュール / デンショバト / ヒトの子供 / 行動観察 |
Research Abstract |
マイクロコンピュータを用いた画像処理技術を、実験的行動分析に応用し、その有効性を検討した。これまでの結果から、今回開発したシステムの有効性が以下の点について認められた。1.ハトの「行動対比実験」で、従来、人による観察を必要としていた負のコンポーネントで特異的に生じる回転反応のリアルタイムな検出の自動化が可能である点。2.従来のマイクロスイッチ等の検出器では、単にスイッチのON・OFFにより検出していたので、一連の流れを持った反応トポグラフィー(回転反応・羽づくろい等)の検出が不可能であったのに対し、本システムは特定の反応トポグラフィー(回転反応)の検出を可能にした点。3.ハトの頭部の3次元上での解析が可能になり、より詳細な分析が可能になった点。4.人の子供の行動観察への応用が可能である点。次に、本システムの問題点が以下の点について認められた。1.反応を検出するために、位置検出のためのポイントを被験体に装着させる必要があり、これに慣れさせるまでにある程度の時間を必要とする点。2.被験体の頭が羽づくろい等でポイントを被ったときそのポイントを見失う点。3.被験体の向きを検出するには、複数のポイントを装置する必要があるが、被験体が立ち上がった時、実験箱の上部からの撮影では上部のポイントが下部のポイントを被いかくし、下部のポイントを見失うことがある点。本システムでは、2.および3.の事態ではマイクロコンピュータが自動的に実験の進行をストップさせ、実験者がポイントを設定し直し、新たに追従を始めた。これらの問題点は、被験体の輪郭をリアルタイムで検出し、これをもとにリアルタイムに判断することが可能なシステムにより克服することが可能であるが、現在の段階ではこれが可能な高速なシステムは高価(1千万円程度)であり、安価なパーソナルコンピュータによるものという制限の中では本システムの機能は十分であるように思われる。
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