モデルベースト知能流量計の開発

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62850040
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 箱守 京次郎 東北大学, 工学部, 教授 (20005242)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山本 宏 オーバル機器工業, 技術本部, 理事 ; 井澤 義明 東北大学, 工学部, 助手 (00143016) ; 吉井 和夫 東北大学, 工学部, 助手 (70108463) ; 内山 勝 東北大学, 工学部, 助教授 (30125504)
• Keywords: 非定常流れ計測 / 知能流量計 / モデルベースト計測 / 流速プロフィル / ビーム走査レーザ流速計 / 電磁流量計 / 乱流管路モデル / 渦粘性係数

Research Abstract

63年度においては、前年度に引続き、管内非定常流の標準瞬時流量計となしうる高精度・広帯域のモデルベースト知能流量計の充実と適用範囲の拡張を試み、さらに工業用流量計の知能化を目指して研究実施計画の(1)〜(5)にそう検討を行い、次の成果を得た。
(1)標準知能流量計の性能向上:センサー部をなすビーム走査レーザ流速計の投光系を改良して精密な調整を可能とし、また同信号処理ソフトウェアを充実した。とくに、乱流も含む広い測定範囲に対処可能とした。
(2)乱流域への適用範囲の拡張:前年度において可能性が検討され、なお困難な問題が残されていた乱流への適用についてブレックスルーが得られ、乱流域への拡張に成功するとともに次の成果を得、一部公表した。
(2ー1)従来報告されている各種の乱流モデルについて検討し、現時点でモデルベースト計測手法に使用可能な乱流モデルは混合距離モデルとk-ε2方式モデルであることを示し、問題点を明らかにした。
(2ー2)高精度検証用の管内非定常乱流の数値シミュレータを開発した。
(2ー3)非定常乱流の渦粘性係数を多項式で近似し、管路部の未知パラメータ推定問題に帰着し、有限代表流速値から渦粘性係数分布を求める手法を提案し、可同定性やフィルタの収束性を論じ、有効性を実堯した。
(2ー4)速度分布の指数法則と混合距離モデルから、未知の時間変動パラメタを含む渦粘性係数の近似式を求め、同パラメタを含む管路モデルを導き、非定常層流・乱流両域にわたる流速分布および流量の統一的推定手法を確立し、標準瞬時流量計の大幅な適用範囲拡張に成功した。
(3)〜(5)工業用知能流量計の基本計画、設計、試作:実用上の流路条件の不備による偏流(非軸対称流)誤差に着目し、同誤差を自動修正する知能流量計を構想し、センサとして電磁流量計を採用、試作設置した。大学院学生粟春晨が参加し、学部学生矢島靖、技官稲村清の協力を得た。

Research Products

• [Publications] 粟春晨 他: 第27回計測自動制御学会学術講演会予稿集. 119-120 (1988)
• [Publications] 粟春晨 他: 第27回計測自動制御学会学術講演会予稿集. 121-122 (1988)
• [Publications] 粟春晨 他: 第31回自動制御連合講演会前刷. 569-572 (1988)
• [Publications] Chunchen Su;et al.: Int.Conference on Advanced Mechatronics,sponsored by JSME(ICAM'89). 1-6 (1989)
• [Publications] Fan Liu;et al.: Proc.of the 2nd Int.Symp.on Fluid-Control,Measurement,Mechanics-and Flow Visualization(FLUCOME'88),Sheffield. 530-534 (1988)
• [Publications] 粟春晨 他: 計測自動制御学会論文集. 24. 787-793 (1988)