1989 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリオファ-ジをトレ-サ-とした水処理プロセスの評価手法の開発
Project/Area Number |
62850101
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
大垣 眞一郎 東京大学, 工学部, 教授 (20005549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮 晶子 (株)荏原総合研究所, 第5研究員
大村 達夫 岩手大学, 工学部, 助教授 (30111248)
金子 栄廣 東京大学, 工学部, 助手 (60177524)
藤田 賢二 東京大学, 工学部, 教授 (40107529)
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Keywords | バクテリオファ-ジ / モデルウイルス / 塩素消毒 / 活性汚泥フロック / プラ-クサイズ / コンポスト過程 / ウイルスの不活化 / 大腸菌ファ-ジQβ |
Research Abstract |
1.大腸菌ファ-ジQβをモデルウイルスとして用い、活性汚泥フロック等塩素を消費するフロックないに含まれるウイルスが塩素消毒によって不活化される過程を実験的に調べた。大腸菌ファ-ジQβの塩素による不活化過程は遊離塩素濃度に対して一次反応によって表せること、温度の影響はArrhenius式によって表現できることがわかった。よって大腸菌ファ-ジを指標として塩素消毒の安全性を評価することができることがわかった。また、活性汚泥内部に取り込まれたQβは、汚泥フロック内部への物質拡散が律速になり不活化が遅れることが示された。 2.活性汚泥法の下水処理場の放流水中の大腸菌ファ-ジをE.Coli Bを宿主菌として用い、そのプラ-クの大きさによる分類(〜1mm,1mm〜3mm,3mm〜の3種類)を試みた。ある処理場においては流入から放流まで1mm〜3mmのプラ-クが40〜60%を占めていたが、別の処理場においては各分類に均等に分布していた。1mm〜3mmのプラ-クより単離したファ-ジを電子顕微鏡によって観察した結果、T系ファ-ジと思われるものとf2ファ-ジと思われるものが混在しており、大腸菌ファ-ジをプラ-クサイズにより分類する際に注意が必要なことが示唆された。 3.コンポスト過程におけるウイルスの消長について、大腸菌ファ-ジQβをモデルウイルスとして用いて調べた。コンポスト中のQβの不活化過程は1次反応によって表せることがわかった。また温度が高いほどQβ不活化速度は大きかった。コンポスト中のQβの不活化過程はコンポストの温度と含水率の関数として記述されることが示され、大腸菌ファ-ジをモデルウイルスとして用いることの有効性が示された。
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Research Products
(1 results)