1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 外志雄 東京大学, 工学部, 教授 (80010742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡屋 克則 東京大学, 工学部, 助手 (80134493)
野中 道郎 東京大学, 工学部, 助手 (70010981)
岡野 靖彦 東京大学, 工学部, 助教授 (30011092)
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Keywords | 攪拌ミル / サブミクロン / 粉砕エネルギー / 粉砕効率 / 粒度分布 |
Research Abstract |
水冷2重円筒からなる有効容積1000cm^3の横型攪拌ミルを用いたサブミクロン粉体の湿式製造実験を行ない、種々の操作変数が粉砕特性に与える影響を明らかにした。また、攪拌羽根の形状が産物の粒度分布や消費エネルギーにおよぼす影響についても調べた。さらに、攪拌ミル内の粉砕媒体の挙動を明確にするため攪拌トルクの変化を測定し、流体攪拌槽と対比しながら評価を試みた。以下に、得られた主な結果をとりまとめておく。 1)攪拌ミルは湿式サブミクロン粉砕に適している。 2)産物の粒度は1μm以下が大部分であるが、フィードサイズ近傍の粒径の粒子も残っており、分布が広範囲にわたることが認められた。 3)粉砕媒体の径を変化させて粉砕速度を調べると、径の大きい粉砕媒体の場合には初期粉砕速度が速いが、粉砕が進行し被粉砕粒子径が小さくなるにしたがい粉砕速度が急激に低下する。 4)攪拌羽根の回転速度が大きいほどよく粉砕されるが、粉砕媒体の径によって特性が異なることがわかった。すなわち、径の大きな粉砕媒体ほど回転速度の増加による比表面積面積の増加割合が小さくなり、径の次さな粉砕媒体では逆になることが分かった。 5)粉砕媒体の径によって最適なスラリー濃度が異なる。濃度が高すぎると粉砕は進行しにくくなり、比較的濃度が低い方がよい結果を示す。粉砕媒体の径が小さくなると最適な濃度も低くなり、産物の粒度も大きな粉砕媒体の場合よりも細かくなる傾向がみられた。 6)被粉砕粒子径によって最適な粉砕が行われる粉砕媒体の径が異なることが分かった。 7)羽根の形状を変化させた実験において、ロッド型の羽根がよい粉砕結果を示した。ロッド型は、比較をおこなったどの円板型よりも攪拌トルクは大きいが、円板型より低い回転速度で粉砕を行うことができることから、結果的に消費エネルギーが小さくエネルギー効率もよい。
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