1989 Fiscal Year Annual Research Report
SAMマウスによる抗酸化物質の老化抑制効果に関する研究
Project/Area Number |
62860010
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川岸 舜朗 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 かなへ 椙山女学園大学, 家政学部, 教授 (40080113)
大澤 俊彦 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00115536)
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Keywords | ビタミンE / 過酸化脂質 / ゴマ / SAMマウス / セサミノ-ル / カテキン |
Research Abstract |
主に前年度の継続で次の研究を行なった。 1)ラットを用いビタミンE欠飼料で飼育すると血漿および肝臓の過酸化脂質、赤血球の溶血率、血漿のpyruvate kinaseが著しく増大するが、この飼料に白ゴマ、焙煎ゴマ油、またはゴマサラダ油を加えると+E群と同程度のレベルに抑制された。また-E群では血漿中のα-Toc-が経時的に減少し消失するがゴマ投与群ではこの減少に反比例してγ-Toc-が増大することが見いだされた。 2)上記と同様の実験でE欠群にゴマ20%ゴマ投与による過酸化脂質生成抑制効果は黒ゴマの方が白ゴマよりやや強かった。またゴマの皮部のみの投与でも抑制効果がみられたが、この場合Toc量は非常に少ないことが注目された。皮部の場合も黒の方が白より強かったが、抽出した黒色素0.5%添加では効果が認められなかった。 3)SAMマウスで-E飼料にゴマサラダ油中の新抗酸化物質sesaminolを0.1%添加すると過酸化脂質の増大に抑制がみられた。また血漿中のToc量の増大もみとめられたが、オスの場合の方が明らかにみられた。ラットにCCl_4投与で肝臓の過酸化脂質は明らかに増大するがsesaminolの同時投与で完全に抑制された。ラットの場合はCCl_4投与で肝臓、血漿のいずれでも過酸化脂質の増大が見られるが、sesaminolの投与により、抑制された。 4)茶カテキンはin vitro試験で強い抗酸化性を示すが、これが生体内で過酸化脂質生成の抑制を示すか、さらに老化抑制が見られるかを調べた。ラットでは飼料添加カテキンが吸収され血中に検出されることが示された。SAMマウスでは、精製カテキン1%添加で生育阻害が見られ、僅かにE+カテキン群で過酸化脂質の抑制が認められたが投与量などを検討し更に研究をすることとした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 福田靖子,並木満夫: "ゴマの科学" 日本食品工業学会誌. 35. 552-562 (1988)
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[Publications] 福田靖子,大澤俊彦,川岸舜朗,並木満夫: "国産ゴマ品種間のセサモリンおよびリグナン抗酸化性物質の比較" 日本食品工業学会誌. 35. 483-486 (1988)
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[Publications] 山下かなへ: "ストレスと栄養" Health Sciences. 3. 30-35 (1987)
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[Publications] 山下かなへ,川越由紀,大澤俊彦,川岸舜朗,並木満夫: "老化促進モデルマウス(SAM)による老化抑制効果について" 第43回日本栄養・食糧学会. (1989)
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[Publications] 野原優子,山下かなへ: "ゴマおよびゴマ油の生体内過酸化脂質生成に及ぼす効果" 日本家政学会・平成元年大会. (1989)
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[Publications] 加藤裕子,山下かなへ: "DMH投与によるラット大腸ガンに及ぼすセルロ-スの影響" 日本家政学会中部支部大会. (1988)
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[Publications] 青山頼孝,岩田四郎,奥村シラサ,近藤博信,長尾陽子,早瀬和利,水谷令子,山下かなへ: "栄養学総論" 弘学出版, 158 (1988)