1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62870007
|
Research Institution | Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 悟 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (00021361)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 宏之 川崎重工業(株), 技術研究所, 室長
尾崎 久記 茨城大学, 教育学部, 助教授 (40092514)
山下 雅道 宇宙科学研究所, 助教授 (60107480)
田中 正文 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (30197470)
木田 光郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (80023654)
|
Keywords | 宇宙ライフサイエンス実験 / 閉鎖環境 / 生命維持装置 / テレサイエンス / デ-タ圧縮技術 / 有害ガス除去 / アンモニア除去 / 生体信号テレメタ- |
Research Abstract |
昭和63年度までに、閉鎖環境下で動物飼育する場合の最も重大な空気の汚染に関してはアンモニアと一酸化炭素(CO)の増加であることが明らかにされ、アンモニアについては空気の流通路にシャワ-室を設け、水に溶解させることが効果的であることが明らかにされた。一方COは酸化剤を添加することで二酸化炭素に容易に変換することができた。前者の水に溶解したアンモニアの処理方法について0.1Nの硫酸で中和し、一定のPH、温度の下で細菌の繁殖をうながして細菌の資化作用によるアンモニアの消費の方法が考察された。本年度はPH、温度の自動調節を行い得るように改良が加えられ、3月間の長期飼育実験を行った。その結果、アンモニアの中和に要する硫酸量は66日以降は0となるものの空気中及びシャワ-水中のアンモニアの増加はみられず、細菌による資化量と飼育室内で発生するアンモニア量が平衡に達することが推定された。この平衡状態は実験終了までの約1ヶ月間観察することができた。その他の空気中の微量有害物資の発生に関しては3ヶ月間飼育の結果ではいづれも認めることができなかった。尚、アンモニア資化菌の菌種の固定を現在も行っているが、特殊な硝化及び窒素化に関与する菌が見い出されておらず一般雑菌の増加のみが観察されている。今後更に、培養を重ねて詳細な分析を行う予定である。一方、3ヶ月間の動物の生理的なデ-タとしてはテレメ-タによる心電図、体温の測定と回転輪計測による行動量の記録を行っているが、これらのデ-タは逐次コンピュ-タに取り込まれ、一定時間ごとに集計、処理されて、心拍数、変動係数、平均値などにより、デ-タ圧縮されて表示、記録された。その結果について1日ごとのトレンドグラフを描き、健康状態のチェックを行い得るようにした。3ヶ月飼育の結果としては上記生理機能に関しては殆んど直線的な変化傾向で飼育状態の良好さを示し本装置の有効性を立証した。
|
Research Products
(11 results)
-
[Publications] 須藤秀雄: "宇宙搭載・小動物用閉鎖式生命維持装置の開発ーーその1" 名古屋大学環境医学研究所年報. 37. 15-21 (1986)
-
[Publications] 渡邉悟: "宇宙実験用動物飼育装置の開発" Proceedings of The Fourth Space Utilization Symposium. 148-151 (1987)
-
[Publications] 須藤秀雄: "宇宙搭載・小動物用閉鎖式生命維持装置の開発ーーその2;BBMの試作" 名古屋大学環境医学研究所年報. 39. 33-37 (1988)
-
[Publications] 田中正文: "宇宙実験用閉鎖環境生命維持装置でのハムスタ-の活動量の変化" 第5回宇宙利用シンポジウムプロシ-ディング. 64-68 (1988)
-
[Publications] 山田弘文: "宇宙ステ-ション用動物実験装置の開発ーー第一報・地上機能モデルの試作ーー" 川崎重工技報. 100. 61-73 (1988)
-
[Publications] T.Shoji: "Developments of Advanced Research Animal Holding Facility(RAHF)for Space Station:I.Developments of Functional Model." Biological Sciences in Space. 3. 16-24 (1989)
-
[Publications] M.Tanaka: "Developments of Advanced Research Animal Holding Facility(RAHF)for Space Station:II.Physiological and Behavioral changes of Golden hamsters in the Fully Enclosed Environmental Life Support System." Biological Sciences in Space. 3. 25-30 (1989)
-
[Publications] M.Tanaka: "Phsiological and Behavioral Changes of Golden Hamsters in the Fully Enclosed Environmental Life Support System." Environmental Medicine.
-
[Publications] T.Shoji: "Trace contaminats/oders in the breadboad model(BBM)of improved research animal holding facility(RAHF)" Environmental Medicine.
-
[Publications] H.Sudoh: "Biological Sciences in Space 1986(Proc.of Intern.Symp.on Biol.Sci.in Space,Nagoya)" Myu. Research, 8 (1987)
-
[Publications] 渡邉悟: "宇宙実験用閉鎖環境生命維持装置の開発 昭和61・62年度文部省民間との共同研究報告書" 66 (1988)