1989 Fiscal Year Annual Research Report
生体内分解吸収性ポリマ-・アパタイト複合体による骨造成材料の新開発
Project/Area Number |
62870078
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
都留 宏道 広島大学, 歯学部, 教授 (90034157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 正毅 広島大学, 歯学部, 助手 (80189505)
赤川 安正 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (00127599)
筏 義人 京都大学, 医用高分子研究センター, 教授 (00025909)
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Keywords | ポリ乳酸・アパタイト複合体 / 生体内分解吸収性ポリマ- / 骨造成 / 脱灰骨 / 骨誘導 |
Research Abstract |
ポリ乳酸・アパタイト複合体およびラット脱灰骨・ゼラチン複合体の2種を骨造成材料として試作し、骨造成モデルとしてはラット頭頂骨部と下顎骨骨体部を選定、さらに期待される骨形成量を制御するための三次元的力学フレ-ムとしてミニポアンフィルタ-をその骨形成量の形状にあわせて用意し、ラットの上記2部位に埋入し、2週および4週後の組織反応を観察した。ポリ乳酸・アパタイト複合体では、頭頂部および下顎骨体部ともに新しい骨形成を思わせる所見は得られなかった。一方、脱灰骨・ゼラチン複合体では、すでに2週後、頭頂骨部および下顎骨体両部において母床骨側1/2以上の範囲で新生骨が明瞭に形成され、母床骨表面と骨性結合をおこしていた。対照としたミニポアンフィルタ-のみの群では、4週後においてもほとんど母床骨表面に新しい骨形成は認めなかった。 以上の所見から、ミニポアンフィルタ-を用いるフレ-ムの設定は骨膜の張力による材料の圧平といった力学的問題を解決するだけでなく、形成する骨の三次元的構築の制御に効果的であると考えられ、脱灰骨・ゼラチン複合体とミニポアンフィルタ-を用いる新しい骨造成システムの有用性が強く示唆された。
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