1988 Fiscal Year Annual Research Report
体内植込み技術による治療用生体深部温度計測システムの開発
Project/Area Number |
62870097
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 正男 東京大学, 医学部, 教授 (60010708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 研二 東京大学, 医学部, 助手 (70010030)
渡辺 瞭 東京大学, 医学部, 助教授 (00009937)
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Keywords | 温度計測 / 体内植込み技術 / 温熱療法 / 磁性体 / キュリー点 |
Research Abstract |
63年度は、計測システムの基本設計と植込み装置の試作及び、植込み装置の小型化の可能性について、理論的検討を行った。キュリー点が50℃の磁性体を作り細長い円柱状にして癌組織に植込み、生体外から無侵襲で磁性の温度変化を検出する装置を試作し、基礎実験を行った。 磁性体は直径1cm、長さ3cmの円柱状にし、巻線してセンサコイルとし、RLC直列共振回路を構成する、センサコイルと同一直線上に配置した検出コイルによって共振周波数を検出する。共振周波数はキュリー点において急激に変化するので、温度測定は精度よく行なえる。実験はセンサコイルを生理食塩水中に置き下からアルコールランプで20℃〜60℃まで加熱した。試行の結果、温度精度は±0.2℃であることが判明した。これはハイパーサーミアでの局所測温における必要条件を満足している。 次に植込みセンサコイルの小型化及び、体内深部点の測定可能性について、コンピュータシミュレーションによる理論的考察を行った。測定可能条件として、コイル間距離、Q値、コイルの形状などについて設定し、理論計算を行った。その結果、コイルの直径3mm、長さ1cmで、コイル間の距離が10cmまで測定が可能であることがわかった。また、このシミュレーションモデルの妥当性を実験によって検証した結果、充分に満足のいくモデルであることがわかった。 これらの検討から、以下の知見が得られた。 (1)本測定装置の温度精度は±0.2℃であり、温熱療法の局所測温に必要とされる条件を満足している。 (2)理論的にコイルの直径3mm、長さ1cmで、コイル間の距離が10cmまで測定が可能である。 以上より、本測定法の可能性について示すことができた。
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Research Products
(2 results)