1988 Fiscal Year Annual Research Report
代数的仕様記述法に基づくソフトウェア開発支援システムの開発研究
Project/Area Number |
62880007
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
稲垣 康善 名古屋大学, 工学部, 教授 (10023079)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎野 努 沖電気工業, 研究開発本部総合システム研究所, 部長
太田 義勝 名古屋大学, 大型計算機センター, 助手
平田 富夫 名古屋大学, 工学部, 助教授 (10144205)
坂部 俊樹 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60111829)
吉田 雄二 名古屋大学, 工学部, 教授 (50023247)
|
Keywords | ソフトウェア / 代数的仕様記述 / データ型 / 型構成子 / 直接実現 / 項書換え系 / プロトタイピング / 段階的詳細化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、代数的手法によるソフトウェアの仕様記述、検証、自動合成を支援するシステムの実用化のための基礎的技法を明らかにすることである。このため、本年度では、1.全体システムの設計の詳細化、2.代数的仕様記述言語の設計、3.仕様デバッガと仕様検索アルゴリズムの開発、4.全体システムの枠組みの実現、を具体的な計画として研究をすすめた。その結果、以下にのべる成果を得ることができた。まず、1.に関しては、全ての代数的仕様作成支援ツールをオペレーティングシステムUNIXの下に統合して、各ツールがコマンドとして利用できるようにする方針を決定した。2.に対しては、代数的仕様記述と手続き的記述とを混在させてプログラムを書くという新しいプログラミングスタイルを許すため、代数的仕様の階層的記述機能を持つ手続き型言語Ultra Cを設計し、その処理系を開発した。この処理系では、階層的に記述した代数的仕様モジュールの分割コンパイルが可能であり、階層的な記述機能とともに、ソフトウェア開発過程の効率化に役立つ。実際Ultra Cを用いて、簡単なグラフィックツールである直線描画ソフトを記述してUltra Cの評価を行い良好な結果を得た。3.については、代数的仕様の検索機能の実現に欠かせない仕様の性質の検証ツールを開発し、仕様の検索手続きの基礎を与えた。また、前年度に開発した代数的仕様の直接実現系Cdimpleに改良を加え、仕様が変更されても、改めてCdimpleを再起動せずにすむように改良も加えた。4.については、前年度と今年度に開発した代数的仕様作成支援ツールをすべてUNIX上に統合し、その他のUNIXツールと共に使用することを可能にした。 以上のように、代数的手法に基づく種々のソフトウェア開発支援ツールを開発し、代数的手法の実用化のための問題点をさぐり、その解決の目度を立てることができた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 平田富夫: 情報処理学会アルゴリズム研究会. 88ーALー4. 4・1・1-4・1・7 (1988)
-
[Publications] 酒井正彦: 電子情報通信学会技術研究報告. COMP88ー93. 37-40 (1989)
-
[Publications] 酒井正彦: 電子情報通信学会技術研究報告. COMP88ー86. 83-92 (1989)
-
[Publications] 山本晋一郎: 電子情報通信学会技術研究報告. COMP88ー94. 41-50 (1989)
-
[Publications] 山中英樹: 電子情報通信学会技術研究報告. COMP88ー96. 61-70 (1989)
-
[Publications] 山本隆弘: 昭和63年度情報処理学会全国大会論文集. 1130-1131 (1989)