1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63300014
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
柏木 浩 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (10000853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣谷 俊昭 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90027350)
旗野 昌弘 東北大学, 非水溶液化学研究所, 教授 (50006293)
今村 詮 広島大学, 理学部, 教授 (70076991)
西本 吉助 大阪市立大学, 理学部, 教授 (20046949)
大野 公男 北海道大学, 理学部, 教授 (40000731)
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Keywords | 生体分子素子 / ヘム蛋白質 / 光合成蛋白質 / フラビン酵素 / 分子軌道計算 / 分子動力学計算 / フラッシュ分光法 / 共鳴ラマン分光法 |
Research Abstract |
この総合研究では異なる研究方法を持つ最先端の研究者が生体分子素子という新しいキイワ-ドの下に集り、2回の合宿を含む4回の研究会で時間無制限の熱心な討論を行った。研究成果は華々しく、限られた紙数ではあるが代表的ないくつかを示す。 ・SCF計算のプログラムAMOS、多配置SCF計算のプログラムJASON、分子グラフィックスのプログラムKORINなど10万行前後の大型プログラムが完成の域に達した。光合成蛋白における電荷分離のメカニズムを明らかにするためのAMOSにより世界で初めて非経験的分子軌道法によりクロロフィル二量体の計算が実行された。JASONによりヘム酸素錯体の電子構造が明らかになり、同じく世界で初めてCI計算によりポルフィリンの励起エネルギ-が正しく計算された。 ・生体高分子の波動関数を求める方法として、ユニフォ-ム局在軌道を用いる方法、および集団相関構造の共鳴により記述する新しい多体理論が提出された。また、人工ニュ-ロンとしての複合リン脂質薄膜が作られ、その発振現象がシミュレ-ションによって数理的に解析された。また、膜のイオン透過をコントロ-ルするイオンチャンネルのイオン選択性のモデルが提案された。 ・蛋白質内の電子伝達などの電気的特性と力学的運動を理解するために静電場と誘電効果を数値的にシミュレ-トする方法、および二面体角を変数とした分子力場計算の方法を開発しプログラム化した。モンテカルロシミュレ-ションにより、溶媒中の色素間の電子移動速度を支配する要因を解明した。蛋白質への水の影響を見るために、水の分子動力学計算により、集団運動の時間的、空間的スケ-ルを決定し、水のゆらぎの原因を明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] S.Yamamoto,U.Nagashima,T.Aoyama,H.Kashiwagi: "MCSCF Calculations with Large Basic Sets" J.Compt.Chem.9. 627-635 (1988)
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[Publications] S.Yamamoto.H.Kashiwagi: "CASSCF Study on the Fe-O_2 Bond in Dioxygen Heme Complex" Chem.Phys.lett.161. 85-89 (1989)
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[Publications] S.Sinkai,A.Kawase,T.Yamaguchi,O.Manabe,Y.Wada,F.Yoneda,Y.Ohta and K.Nishimoto: "Coenzyme Models 47.Synthesis and Reactives of Novel Flabinophanes and 5-Deazaflavinophanes:Correlation between Flavine Reactivity and Ring Strain" J.Am.Chem.Soc.111. 4928-4935 (1989)
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[Publications] A.Imamura,K.Ye,M.Takeshita: "A Theoretical Study of the lonized State of Polymers with the Localized Molecular Orbital Meyhod" Bull.Chem.Soc.Jpn.62. 979-984 (1989)
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[Publications] H.Sotokawa,T.Shimizu,H.Furuya,Abu Jafar Md.Sadeque,M.Hatano,Y.Ohba,M.Iwizumi,Y.Fujii-Kuriyama: "Erectron Spin Resonance Studies of Wild-Type and Mutant Cytohrome p-450d:Effects of Mutations at Proximal,Aromatic and Distal Sites on g Values" Biochim.Biophys.Acta.1037. 122-128 (1990)
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[Publications] T.Kakitani and N.Mataga: "Effect of Freezing out Protein Vibrational Modes on Electron Transfer Kinestics in bacterial Reaction Centers" Photosynthesis Resarch. 22. 187-193 (1989)
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[Publications] 川村富士夫、柏木浩、他: "89'先端科学・技術開発年鑑" 技術出版, 630
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[Publications] M.Hatano Ed.: "Protein Structural Analysis,Folding and Design" Japan Scientific Societies Press and Elsevier,Tokyo and Amsterdum, 320 (1990)