1988 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における伝統的都市の再生とアメニティの探究に関する実証的研究-金沢市の総合調査-
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63301021
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
二宮 哲雄 金沢大学, 文学部, 教授 (90019331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高澤 裕一 金沢大学, 文学部, 教授 (30019301)
川崎 茂 金沢大学, 文学部, 教授 (50039179)
島田 昌彦 金沢大学, 文学部, 教授 (40000301)
鴨野 幸雄 金沢大学, 法学部, 教授 (40019253)
田中 富士夫 金沢大学, 文学部, 教授 (20019300)
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Keywords | 伝統 / 再生 / アメニティ / コミュニティの特性 / 家族の構成・機能の変化 / 宗教行事 / 金沢言葉 / 城下町の政治と経済 |
Research Abstract |
金沢市の伝統、再生及びアメニティの探究に関して、以下の各領域において、研究・調査を行った。 1.基礎概念:(1)研究のキー・コンセプトとなる「伝統」、「再生」及び「アメニティ」について考察した。(2)アメニティの構成要因分析のために、地域生活空間のアセスメントの方法論的確立を目指した。 2.政治・社会:(1)金沢市における地方自治の現代的課題としての分権化、老齢化、情報化、国際化及び市民参加化について調査した。(2)金沢市のコミュニティの特性を明らかにするために、旧市街地域、新興住宅地域及び農村地域の町内会を、混住化論的視点から調査した。(3)家族の構成と機能の変化をとらえ、それに対応する社会的な援助システムの実態を分析した。そして今後の地域・社会的なケアシステムの確立について考察した。(4)伝統工芸・文化を通して見た金沢市の個性にアプローチするための調査を行った。(5)市民の意識構造を明らかにするために、伝統、階層、生活満足感及び政治に関する意識について調査した。 3.文化:(1)全国的にみても特異な性格を持っている金沢市の消防団の活動様式について調査した。(2)宗教行事-金沢市において重要な意義を持つ報講議等-及び祖先崇拝について調査した。(3)年中行事と金沢言葉について、伝統的なものが消滅しつつある実態を調査した。 4.地域:(1)城下町の歴史的遺構を残す金沢市の性格を明らかにし、その都市計画、再開発のあり方を探った。(2)土地利用の変化を跡づけた。(3)緑の資源と緑地環境に関係ある連続降雨量について測定した。(4)漁業の集落としての金石地区の現状を分析し、再生のための計画を考えた。 5.歴史:(1)封建都市金沢が近代都市形成に与える規定性を政治過程を通して分析した。(2)近世城下町としての金沢の経済が、近代における経済の展開過程にいかように対応しているかを分析した。
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