自動車産業労働者の労働・生活と地域社会構造に関する総合的研究

1989 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63301031
• Research Institution: Ritsumeikan University
• Principal Investigator: 辻 勝次 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (60066719)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 浜岡 政好 仏教大学, 社会学部, 教授 (80066422) ; 小山 陽一 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (20066608) ; 木本 喜美子 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (50127651) ; 木田 融男 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (50094503) ; 中川 勝雄 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (60102159)
• Keywords: 自動車産業 / トヨタ自動車 / 豊田市 / 産業政策 / 権力構造 / 生活団体 / 地域団体 / 労働者

Research Abstract

1989(平成元)年度は、(1)愛知県豊田市の地域権力構造に関する調査。(2)日本の自動車産業政策の形成過程の調査を行なった。このための研究会の開催、日本社会学会での報告、報告書の執筆・刊行の準備も行なった。以下順に述べる。
(1)豊田市での地域権力構造の調査については、自動車都市豊田の一典型と考えられる深田山地区を重点調査対象地区として、自治区長調査、道路建設に関するイッシュ-調査を行なった。自治区長調査では同地区全域に渡る70名程度の区長に面接調査をして、地域住民生活情況、政治情況と自治区長自身の地域社会関係を調査した。イッシュ-調査では道路建設賛成派、反対派の双方からその主張を聴取した。また地域婦人、子供、老人、青年等の諸団体を単位とする団体調査も行なった。
(2)自動車産業政策に関しては、通産省、自動車会社の団体である日本自動車工業会、労働団体である自動車総連、関連研究機関である機械振興協会経済研究所等で聞き取り調査を行なった。これらの結果を総合して、自動車産業政策の大枠が把握できた。
(3)日本社会学会での報告、1988年度までの研究成果と89年度の成果の一部も含めて、社会学会において一部会を開いて4人の研究分担者が報告した。それらは、【○!1】地域権力構造分析の方法と課題、【○!2】地域諸団体の構造と機能、【○!3】都心再開発をめぐる住民動向、【○!4】婦人組織、子供会等の機能であった。
(4)成果の公表の準備として、研究分担者の分担課題の明確化を行ない、報告書全体の構成について一定の案を得た。
(5)これらすべてに関連して、自動車問題の専門家2人に依頼して、自動車産業の現状についての公演会を開いた。

Research Products

• [Publications] 辻勝次: "自動車工場における「集団的熟練」の機能形態とその形成機構-トヨティズムとフォ-ディズム-(上)" 立命館大学『産業社会論集』. 24、4. 29-57 (1989 3)
• [Publications] 辻勝次: "自動車工場における「集団的熟練」の機能形態とその形成機構(中)" 立命館大学『産業社会論集』. 25-2. 1-33 (1989 9)
• [Publications] 辻勝次: "自動車工場における「集団的熟練」の機能形態とその形成機構(下)" 立命館大学『産業社会論集』. 25-3. 107-144 (1989 12)
• [Publications] 湯本誠: "自動車労働者の熟練・技能とキャリア形成(上)" 立命館大学『産業社会論集』. 25-3. 145-169 (1989 12)
• [Publications] 中川勝雄、木田融男、編著: "豊田市における地域社会・権力構造" 立命館大学人文科学研究所, 330 (1990)